「 ごめん 」を言う回数よりも
「 ありがとう 」を言う回数が増えてきた頃、
俺たちは高校生になった。
数分後__
自然と笑える様にもなった。
体も心も何だか軽くなった。
だから、2人にはとても感謝してる。何があっても
笑顔で俺の背中をずっと支え、押してくれたから。
病気はまだ治ってないけど、体調が良くなったから退院し、この春…俺にとっては最後の春は小さい頃から俺が望んでいた「普通の高校生」で奇跡的に過ごす事が出来た。
俺とさとみ君は新しいクラスの教室の前に着いた。さとみくんがクラスのドアを開こうとした時、俺はさとみくんの制服をつまんだ。さとみくんは少し驚いた顔してから俺の頭に手を置き微笑んだ。
余命宣言されたのが去年の夏の終わり。
っていう事は俺のタイムリミットは今年の夏の終わり。もしそうなったら、俺は新しく出来た友達と…さとみくんとジェルくんと一緒に進級出来ない。
さとみくんは「ほらほら、笑顔笑顔」って言って変顔をした。さとみくんの変顔は変で面白くて笑ってしまった。俺はさとみくんの腕を引っ張り、耳元で「ありがとう」って言った。そして俺はさとみくんと一緒に教室のドアを開いた。
キーンコーンカーコン
高校生最初の授業は、自己紹介になった。俺は緊張しながら俺の番を待った。何回も何回も心の中で練習した。俺の1個前のさとみくんは立ち上がり自己紹介した。
さとみくんは一礼してから俺は立ち上がった。
俺はそう言って勢いよくお辞儀した。すると隣の子が笑いだしクラスに次々と笑顔の花が咲いた。どうして笑っているのか分からない俺はさとみくんを見た。すると変な事にさとみくんも笑っていた。
こうして無事に自己紹介を終えた。
今日の授業が終わると、俺とさとみくんの席の周りに人が沢山集まった。
俺とさとみくんも沢山友達が出来た頃にジェルくんがやってきた。
今日、「 また明日 」という言葉が好きになった。
だって、俺が「 また明日も 」生きられると思うから。病院にいる時は明日が怖かったけどこれから先は明日が楽しみになりそう。
俺は後ろの席を見た。今日の莉犬を見て少し安心した。本当は少し不安だった。また莉犬を傷つけてしまうんじゃないか、って。けどそんなことはなかった。莉犬がクラスメイトに「また明日」って言った後の笑顔を見ると心配して損したって思った。
これから莉犬は色々な事を経験していく。楽しい事、辛い事、苦しい事。…今まで経験出来なかった事が起きる。 その時は
小さい頃、莉犬が俺にしてくれたみたいに。
俺は声がした方を向くと、海のような髪の子がいた。
その子は窓にもたれかかって俺を微笑みながらそう言った。
蒼海さんは、笑いながら窓に開いた。
窓の先には沢山の桜があった。
その時、桜の花弁が教室の中に入ってきた。ころんはそれをキャッチして俺に近づいた。その花弁をつまんで俺に見せた。
この時はまだ思ってもいなかった。
もうタイムリミットが近い俺に
ずっとずっと一緒にいたいと思える子が出来るなんて。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。