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第6話

ろく
422
2025/03/16 08:17 更新


 きり丸 「 本当に綺麗っすね 」




  「 … そうでしょうか 」





  今私はきり丸さんと共に町へ向かっている




 きり丸さんも 、女性の姿を模倣しており美しいと思う



 
  「 きり丸さんも 、可愛らしいですよ 」





  私が一言話してみると 、きり丸さんは嬉しそうにこちらを見た




  きり丸 「 今日は気合い入ってるんすよ ! 」





   … そんなにお金に困っているのか






  なら 、私も頑張らなければいけない










  「 いらっしゃいませ 〜 」




  いつもはあまり動かない表情筋を使い 、愛想を振りまく




  久しぶりだからか 、疲れてしまう





  「 そこのお兄様 。よければ一輪 、どうでしょうか 」





  お兄さん 「 … 一輪 、 」







  きり丸 「 あ 〜 っ ! 潮江文次郎先輩 ! ! 」





  潮江 、文次郎 …






  あ 、イケおじ … じゃない 。男前の人だ






  「 あらぁ 、きり丸さんのお友達ですか ? 」




 私は潮江文次郎さんとあまり接点は無い 。



 そして今の服装であればアルバイトの手伝いをしている女 、程度の認識でスルーされるはずだ




  潮江 「 … お前 、天 、いや叶人か ? 」






  何故わかる 。




   「 … バレてしまいましたか 」




  これじゃあ立花さんに怒られちゃうかな





 潮江 「 よく似合っている 。 」





 … ? ? ? よく似合っている 、って 、





  「 ありがとうございます 」

















  「 … よく似合っている 、 ? ? 」


  私はここに来る前に流行っていた宇宙猫状態になっている






 きり丸 「 叶人さん ! 」




  「 っは … すみません 。 」




  仕事中なのにボーッとしてしまうなんて 、!





 























 女将さん 「 今日も沢山働いてくれてありがとねぇ 」





 女将さん 「 そこの別嬪さん 、おまけ 」





  仕事終わり 、きり丸さんは先に帰ってもらい 、私は女将さんに呼ばれた





  そしたら ここで言う大金を貰ってしまった




 「 いえ 、そんなに貰う訳には 、 」




 女将さん 「 いいのよ 、あの子に何か買ってあげて 」




 あの子 、というのはきり丸さんのことだろうか






 「 … どうしたものか 」









  きり丸 「 あっ !叶人さん 」





 「 きり丸さん ?先に帰っても 、 」




 きり丸 「 せっかくなんですから一緒に帰りましょ 」





  きり丸さんは 、人のことを思える良い人だ








  






  「 きり丸さんは毎日楽しいですか 」




 きり丸 「 楽しいっす ! 」




  私は 、きり丸さんのお友達の話や先生方の話を沢山聞かせてもらった









  そう 、山賊が来るまでは








  山賊 「 ここは俺の縄張りだ 」





  山賊 「 入りたきゃ 、荷物全て置いていくんだな 」








 … 参った 。




  きり丸 「 … 叶人さん 」




  逃げましょう 。と瞳を揺らすきり丸さん





  確かに逃げるのが最善の策




  だが囲まれていては 、








  思考を巡らせ 、約1分ほどか







 山賊 「 とっとと出せぇ ! ! 」





  堪忍袋の緒でも切れたのか襲いかかってくる山賊








私なら良かった 。私ならばどうにでもなる





 




  「 ッ ! きり丸さん ! 」






  狙われたのはきり丸さん 。私よりか遥かに年の差がある小さな子







 

 《 グサッ 》







 普通のヒロインなら 、ヒーローなら




 ここで人を庇うだろう




  けれど私はただの人間でしかない




  醜い 、ね






    山賊 「 う”ッ 」






 きり丸 「 叶人さ 、 」

  



    「 何も見るな 。 」





  私は人を殺した 。刺し殺した






  でも 、不思議と慣れていた






    「 … 帰りましょう 。 」




 きり丸 「 このまま 、? 」


 

  今 、きり丸さんは私に担がれている





  いわばおんぶと同じ部類だ





  「 嫌ですか ? 」





 きり丸 「 … 嫌じゃ 、ない 、です 」




  少し 、片言になるきり丸さん






 あぁ 、私の弟もこんな感じだったな








  「 … なつかしい 」

  


  あの子は今元気かな



























  終始無言で 。学園の門前に着いた







  「 きり丸さん 。もう大丈夫ですよ 」





  きり丸 「 … 」

 




  返事が無い 。




  … 寝てる ?






  
 中在家 「 … どうした 」
 

  

  「 少し 、手間取ってしまいました 」





  あそこで直ぐに気づけたなら


  
  前のような過ちは犯さないと決めたはずなのに

  



  「 きり丸さんのこと 、お願いします 」







ーーーーーーー






  


  私は 、上の姉に似ても似つかない




 
  長女は剣道


  次女は合気道




  三女は何もしていなかった





  強いて言うならば友人と遊び呆けていた事





 

   「 … 友人 、 か 」
  




 潮江 「 何を考え込んでいる 」




  「 あら 、潮江さん 。 」




 潮江 「 その気味の悪い口調はやめろ 」



  目の下に隈を作っている彼 、潮江文次郎さん



  「 … お花 、大事にされているのですね 」




 潮江 「 っはぁ ! ? 」




  何故わかると言いたそうな顔をする潮江文次郎さん




  「 お花の匂い 、付いていますよ 」





  白の花 。あの花の匂いはとても鼻に残る







   「 誰かに贈る用ですか 」



 
   潮江 「 … 仲間に 、 」







  「 鼎 、さん にですか? 」
  


  この質問をした時だけ 、時間が止まったような気がする



 潮江 「 … 誰のことか分からんな 」





  どこか見たことがあると感じてしまうのは気のせいだろうか










  潮江 「  と言うか 、何故お前の周りは水浸しなんだ 」

  




  「 あぁ 、汚れてしまって 。 」




  井戸の水を頭から被ったからね






 潮江 「 血を流す為か 」

 

 
  「 さぁ 、どうでしょう 」



  きっと 、貴方は分かっている




  だから言ってはやらない







  「 潮江文次郎さん 。 」

  


 潮江 「 文次郎でいい 」





  「 … 文次郎さん 。  」




  
  私は 、貴方のことが嫌い




  そう言ったら 、どんな顔をするかな




  悲しい ?辛い ? それとも 、…





  … いや 、この先は考えないようにしよう





  「 今夜は冷えます 。 早くお部屋に戻りましょう 」





 潮江 「 お前が1番寒そうだけどな 」




  少し心配そうに言う文次郎さん





 図星すぎて何も言えない




 「 … その通りですね 。 」



 



  
 
ーーーーーー









  今回の天女は 、何かと謎が多い





  警戒は劣らず 、監視をしていたつもりだった



  

  物静かで 、どこか抜けてる




  性格が似ている奴を 、俺は知っていた






 叶人 「 文次郎さん 」
  
 


 死んだ 、仲間にそっくりで





  【 文次郎 。 】
 






 俺があの時 、あの場所に居たのなら





  お前は死なずに済んだかもしれないというのに





  叶人 「 今夜は冷えます 。 早くお部屋に戻りましょう 」




  諦めたように言う天女



  
  その表情は鼎が毎日後輩に見せる顔




  お前は後輩にはとてつもなく甘かった





 





  「 お前が1番寒そうだけどな 」







 叶人「 … その通りですね 。 」






 
  そう微笑む天女とアイツが重なってしまい





  俺は 、天女から背を向けた
  
 






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