きり丸 「 本当に綺麗っすね 」
「 … そうでしょうか 」
今私はきり丸さんと共に町へ向かっている
きり丸さんも 、女性の姿を模倣しており美しいと思う
「 きり丸さんも 、可愛らしいですよ 」
私が一言話してみると 、きり丸さんは嬉しそうにこちらを見た
きり丸 「 今日は気合い入ってるんすよ ! 」
… そんなにお金に困っているのか
なら 、私も頑張らなければいけない
「 いらっしゃいませ 〜 」
いつもはあまり動かない表情筋を使い 、愛想を振りまく
久しぶりだからか 、疲れてしまう
「 そこのお兄様 。よければ一輪 、どうでしょうか 」
お兄さん 「 … 一輪 、 」
きり丸 「 あ 〜 っ ! 潮江文次郎先輩 ! ! 」
潮江 、文次郎 …
あ 、イケおじ … じゃない 。男前の人だ
「 あらぁ 、きり丸さんのお友達ですか ? 」
私は潮江文次郎さんとあまり接点は無い 。
そして今の服装であればアルバイトの手伝いをしている女 、程度の認識でスルーされるはずだ
潮江 「 … お前 、天 、いや叶人か ? 」
何故わかる 。
「 … バレてしまいましたか 」
これじゃあ立花さんに怒られちゃうかな
潮江 「 よく似合っている 。 」
… ? ? ? よく似合っている 、って 、
「 ありがとうございます 」
「 … よく似合っている 、 ? ? 」
私はここに来る前に流行っていた宇宙猫状態になっている
きり丸 「 叶人さん ! 」
「 っは … すみません 。 」
仕事中なのにボーッとしてしまうなんて 、!
女将さん 「 今日も沢山働いてくれてありがとねぇ 」
女将さん 「 そこの別嬪さん 、おまけ 」
仕事終わり 、きり丸さんは先に帰ってもらい 、私は女将さんに呼ばれた
そしたら ここで言う大金を貰ってしまった
「 いえ 、そんなに貰う訳には 、 」
女将さん 「 いいのよ 、あの子に何か買ってあげて 」
あの子 、というのはきり丸さんのことだろうか
「 … どうしたものか 」
きり丸 「 あっ !叶人さん 」
「 きり丸さん ?先に帰っても 、 」
きり丸 「 せっかくなんですから一緒に帰りましょ 」
きり丸さんは 、人のことを思える良い人だ
「 きり丸さんは毎日楽しいですか 」
きり丸 「 楽しいっす ! 」
私は 、きり丸さんのお友達の話や先生方の話を沢山聞かせてもらった
そう 、山賊が来るまでは
山賊 「 ここは俺の縄張りだ 」
山賊 「 入りたきゃ 、荷物全て置いていくんだな 」
… 参った 。
きり丸 「 … 叶人さん 」
逃げましょう 。と瞳を揺らすきり丸さん
確かに逃げるのが最善の策
だが囲まれていては 、
思考を巡らせ 、約1分ほどか
山賊 「 とっとと出せぇ ! ! 」
堪忍袋の緒でも切れたのか襲いかかってくる山賊
私なら良かった 。私ならばどうにでもなる
「 ッ ! きり丸さん ! 」
狙われたのはきり丸さん 。私よりか遥かに年の差がある小さな子
《 グサッ 》
普通のヒロインなら 、ヒーローなら
ここで人を庇うだろう
けれど私はただの人間でしかない
醜い 、ね
山賊 「 う”ッ 」
きり丸 「 叶人さ 、 」
「 何も見るな 。 」
私は人を殺した 。刺し殺した
でも 、不思議と慣れていた
「 … 帰りましょう 。 」
きり丸 「 このまま 、? 」
今 、きり丸さんは私に担がれている
いわばおんぶと同じ部類だ
「 嫌ですか ? 」
きり丸 「 … 嫌じゃ 、ない 、です 」
少し 、片言になるきり丸さん
あぁ 、私の弟もこんな感じだったな
「 … なつかしい 」
あの子は今元気かな
終始無言で 。学園の門前に着いた
「 きり丸さん 。もう大丈夫ですよ 」
きり丸 「 … 」
返事が無い 。
… 寝てる ?
中在家 「 … どうした 」
「 少し 、手間取ってしまいました 」
あそこで直ぐに気づけたなら
前のような過ちは犯さないと決めたはずなのに
「 きり丸さんのこと 、お願いします 」
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私は 、上の姉に似ても似つかない
長女は剣道
次女は合気道
三女は何もしていなかった
強いて言うならば友人と遊び呆けていた事
「 … 友人 、 か 」
潮江 「 何を考え込んでいる 」
「 あら 、潮江さん 。 」
潮江 「 その気味の悪い口調はやめろ 」
目の下に隈を作っている彼 、潮江文次郎さん
「 … お花 、大事にされているのですね 」
潮江 「 っはぁ ! ? 」
何故わかると言いたそうな顔をする潮江文次郎さん
「 お花の匂い 、付いていますよ 」
白の花 。あの花の匂いはとても鼻に残る
「 誰かに贈る用ですか 」
潮江 「 … 仲間に 、 」
「 鼎 、さん にですか? 」
この質問をした時だけ 、時間が止まったような気がする
潮江 「 … 誰のことか分からんな 」
どこか見たことがあると感じてしまうのは気のせいだろうか
潮江 「 と言うか 、何故お前の周りは水浸しなんだ 」
「 あぁ 、汚れてしまって 。 」
井戸の水を頭から被ったからね
潮江 「 血を流す為か 」
「 さぁ 、どうでしょう 」
きっと 、貴方は分かっている
だから言ってはやらない
「 潮江文次郎さん 。 」
潮江 「 文次郎でいい 」
「 … 文次郎さん 。 」
私は 、貴方のことが嫌い
そう言ったら 、どんな顔をするかな
悲しい ?辛い ? それとも 、…
… いや 、この先は考えないようにしよう
「 今夜は冷えます 。 早くお部屋に戻りましょう 」
潮江 「 お前が1番寒そうだけどな 」
少し心配そうに言う文次郎さん
図星すぎて何も言えない
「 … その通りですね 。 」
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今回の天女は 、何かと謎が多い
警戒は劣らず 、監視をしていたつもりだった
物静かで 、どこか抜けてる
性格が似ている奴を 、俺は知っていた
叶人 「 文次郎さん 」
死んだ 、仲間にそっくりで
【 文次郎 。 】
俺があの時 、あの場所に居たのなら
お前は死なずに済んだかもしれないというのに
叶人 「 今夜は冷えます 。 早くお部屋に戻りましょう 」
諦めたように言う天女
その表情は鼎が毎日後輩に見せる顔
お前は後輩にはとてつもなく甘かった
「 お前が1番寒そうだけどな 」
叶人「 … その通りですね 。 」
そう微笑む天女とアイツが重なってしまい
俺は 、天女から背を向けた
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。