第5話

支配者
138
2026/08/06 13:12 更新


os
それとも、アンタが俺の星になってくれんの?

爪が剥がれて、顔をボロボロに殴られて、口は裂けている。彼との出会いは、それだった。

そんな状態で、そんなことを口にするな。そう思った。
(なまえ)
あなた
哀れだな。


os
悪魔なのに人間にこき使われてるんだ。
os
そりゃ随分と哀れで不幸に見える。


os
じゃあ救ってみろよ。俺を。


(なまえ)
あなた
救えないさ。

os
ならほっといてくれへんか。






(なまえ)
あなた
この腕輪が、君を縛っているのか?


os
だったらどうするん?
os
魔族には触れもしない、俺の仲間は俺を救おうとして何人も死んだ。





彼の顔が歪んだ。


(なまえ)
あなた
その仲間は、大切?


os
俺のことを兵器としか思ってないヤツらなんて、好きじゃない。
os
人間と同じようなやつら。


os
俺を救いたかったのだって、力を利用したかったから。



(なまえ)
あなた
もし助けたら、私についてきてくれる?


os
もし、もし本当にそんな事ができるんやったら、
os
考えたるよ。



(なまえ)
あなた
なら、助けてあげる。
(なまえ)
あなた
君は頭が良さそうだし。


腕輪が弾けた。彼の顔が一瞬明るくなったあと、また沈んだ。



os
同じことの繰り返し。
os
俺はいつになったら自由になれるんやろな。




(なまえ)
あなた
……じゃあ、ばいばい、自由に生きてね。


os
連れて行かへんの?


(なまえ)
あなた
君は辛そうだから。




















数日後、彼が訪ねてきた。


os
魔王宮の幹部様だったとは。はは…とんだご無礼を。


(なまえ)
あなた
律儀だね。



os
おかげさまで俺は自由です。感謝しています。


(なまえ)
あなた
今から凄いもの見せてあげようか。


os
いな、俺はもうアンタと関わる気は……




ばーん。後ろから大きな爆発音がして、あそこはたしか、魔王様の部屋。


os
…っは!?


(なまえ)
あなた
ほら、凄いでしょう。




中から、聞こえる悲鳴。魔王様が!と咽び泣く声。



(なまえ)
あなた
私が今さっき、魔王を殺した。
(なまえ)
あなた
だから今日から魔王は私。






(なまえ)
あなた
着いてくるか、自由に生きるか、どっちがいい。




彼女の目には選択肢なんてうつってなかった。どちらを選ぼうとも俺を絶対にそばに置くという覚悟。というよりは汚らしい意地のようなもの。そんなのを感じた。



os
お前に着いて行ったらなにが得られる。





(なまえ)
あなた
さぁ…なんだろう。
(なまえ)
あなた
自由より果てしないもの。



os
ならお前について行く。後悔させたら殺す。




(なまえ)
あなた
物騒だな……
(なまえ)
あなた
後悔させないよ。私に着いてきたら、いつか世界を君にあげる。



os
それは、確かに自由より価値がありそうや。

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