唇を噛み締める音が聞こえた。そこまで追い詰める気はなかった。少し反省させたかっただけ。
魔王様を喜ばせたかった。いつかあの人が起きた時、目の前に失われたと思っていた心臓があったら喜ぶと思った。
だからあの人が眠っている間、探し回った。
殺して。
殺して。
殺して。
殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して。
走って。走って、走ったのにダメだった。
50年前は、前前代の皇帝も殺した。
30年前は、前代を。
なのに、ダメだった。千年間こんなことを続けているのに。皇帝を殺しつづけても、1000年間!だれもあのお方の心臓の場所を吐いたりはしない。
皆最後に黄緑色のネックレスを掲げる。皇帝派は永遠だと満足した顔で笑いながら死んでいく。
俺がもっと賢かったら、俺がもっと強かったら、俺がもっとそばに居たら。そんなたらればはたらればでしかなかった。
そもそも1000年前、ひとりで魔王様を外に出していなければ。
心臓を奪われて横たわるあのお方を、俺が見つけていれば。
1000年間も眠らせ続けることはなかったかもしれない。
あぁどうか。
こんな俺の悪い望みが、
現実になりませんように。







![[参加型?]空の上で最後の遺言を、](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/fLidrLhRSUUik4ZkTr7M83BhU0V2/cover/01KCTXMWS5RZ2WT40YN9XJ0C3Y_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。