第7話

盲目
121
2026/08/07 13:40 更新


ut
エミさーん。この仕事教え…て……
ut
……魔王様。


(なまえ)
あなた
やぁ、久しいね。



ut
いらっしゃったのですね。


(なまえ)
あなた
あぁ、楽しいお茶会。
(なまえ)
あなた
君もどう?




ut
いえ、遠慮しておきます。
ut
エミさん、また後で来るわ。


em
わかりました。



ut
ありがと、じゃ。


あの日から、魔王様の目がまっすぐと見れない。





だって俺の腕の中で冷たくなったんやもん。


俺の腕の中で泣いたんやもん。



ut
……はは、調子狂うな…


こんなつもりじゃなかったのに。





syp
……はぁ、眠。




寝れてない。軍隊をもう一度作り直すことが俺の仕事。なんと言われようと魔王様の命令だから逆らえない。逆らう気もないけど。

こんなことしたら、スパイがたくさん入ってくることは明確で、まあ、そのスパイかどうかを見分けるのも俺の仕事っちゃ仕事なんだけど……



めんどくさい。
それが本音。




目の前には数千人規模の軍隊希望者が。

熱狂的な魔王派の人間もいる。だが皇帝派もそれと同じくらいの数紛れているだろう。


マイクを通して彼らに伝える。


syp
あー、えっと。
syp
軍隊募集に来てくれてありがとう……
syp
ありがとう?


なぜ感謝する必要が?…うーん、まぁいいか。





syp
今から適当に戦ってもらって、生き残った1000人を合格としまーす。
syp
んじゃ、がんばって。




どよめきも、悲鳴も、怒号も、困惑も、全て、聴こえないふりをしたかった。






em
今でも貴方を夢に見ますよ。



ベッドに横たわって、手を天井に向けて伸ばす。後悔してないわけじゃない。でもあの判断は最適だったと今も思ってる。なのにこんなに苦しいのは、魔王様がその事実を苦しがっていたから。



ガタガタと窓が揺れる。
あの日のことを思い出す。あぁ、こんなこと普段ならないのに。











os
エーミール!話聞け!!


em
すいません。もう貴方を信じられないのです。



os
違う!分かったから、一旦拘束を解いてくれへんか!?





em
落ち着いてください。


os
こっちのセリフや!!




em
貴方の物じゃないなら、このネックレスは誰のものなんです?




黄緑色のペリドットが光る。
   
os
……買った。


em
嘘ですよね。なぜ嘘をつく必要が?





os
…他の人のもんなんや。でも、誰とは言えない。


em
皇帝様からでももらったのでしょうか。



os
エーミール!落ち着け、!



em
心の中で、仲間が悲鳴を上げているのが聴こえるんです。



em
世界のどこかで、私と同じ魔獣が苦しんでいる。
em
その事実だけで胸が張り裂けそうだ。




os
お前…魔獣で……、だから、そうか……!



なにか気づいたような声を上げた彼は、もう、口を開けることはなかった。反抗的な目でこちらを見つめていた。



em
魔王様から力を買われた貴方が、こんなふうになっているのは惨めですね。








os
……はは、笑
os
魔王様は俺の"頭脳"を買ったんや。


os
残念やったな。




その言葉に酷く苛ついた。







バールを持つ手を振り下ろす。その景色が、彼にとって最後の景色になっただろう。



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