息が苦しい!生々しい夢を見たからだ。
頭が痛い!まだ彼を殴った感覚が頭に残っているからだ。
体が寒い!血を触った感覚を忘れられないからだ。
もう遅い。
みんなね、おれとあそんでくれないの。
あれ、おれってひとりぼっちだ。
償えるなんて思ってない。ただ今だけは、平穏にすべてを進めたい。彼ができなくなった仕事の分を私がすべてを補うことで、どうか今は許して欲しい。
彼の声は真っ直ぐだった。書類を持つ手が震えていた。
人は減った。でもまだ多い。目を引くやつもいない。真面目に見てもいないけど。
魔王様が復活すれば多少は退屈が終わると思っていた。一瞬心は高揚したが、それだけ。1000年前と同じように、はしゃぐほどの気力も体力もなにもない。
でも目の前では、各々が得意な武器を持ちながら殺し合いが行われている。元気だな、ほんと。
びゅう。と風を切る音が聞こえた。
この音は、矢、矢、矢、
右を向く。手に矢を握り血塗れな手が見える。
バキと、矢を折り曲げる。この人の発言にはなにも説得力がない。
ゴクリと唾を飲む。
あぁ、最初から魔王様を狙って。
頭を下げる。なにか視線を感じる。怒ってもいない。許してもいない。ただ目の前に、幽霊のようななにかがいるような感覚がする。







![[参加型?]空の上で最後の遺言を、](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/fLidrLhRSUUik4ZkTr7M83BhU0V2/cover/01KCTXMWS5RZ2WT40YN9XJ0C3Y_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。