ーピーンポーン
あなたちゃんの家に着きチャイムを鳴らすと、静かに玄関ドアが開いた。
いつもなら、笑顔いっぱいで迎え入れてくれる彼女が今日は何も言わず、ただ中に入れと目線で訴えてくる。
あの記事、、見ちゃったのかな
俺は、促されるままリビングに行くとソファに腰を下ろした。
悩んでいる時間はないと思った俺は、座ってすぐに話し始める。
先程まで、ずっと俯いていたあなたちゃんは小さくそう呟くと同時にゆっくりと顔を上げ目が合った、、
目、真っ赤、、
きっと、あの記事を見てしまってから俺がここに来るまでの間、彼女は泣き続けていたのだろう。
痛々しい程、赤くなった目からは未だに涙が溢れ出している。
社長ってやっぱり凄いよな、、
俺は正直、あなたちゃんなら分かってくれると、理解してくれると思い込んでいた。
しかし、実際こうして会いに来てみると社長が心配していた通り、あなたちゃんはあの記事を見て俺に別の恋人が居ると思い込み苦しんでいる、、
これが、当たり前の反応なんだろうな
俺は、今まであなたちゃんに寄り掛かり過ぎていたのかもしれない。
年上でしっかりしているあなたちゃんならきっと、俺のことを分かってくれるとそう思い込んでいた、、
全部、俺の不注意で俺の責任。
そこに、大切な人を巻き込んでしまったことを深く反省する、、
俺が今、どれだけ何を言ってもあなたちゃんには全部嘘に聞こえてしまうかもしれない。
でも、きっとここで伝えるのことを諦めてしまったら、それこそ全てが終わってしまいそうで、怖かった、、
今、俺に出来ることは全てした。
あとは、あなたちゃんがどう判断するか、、
どうしよう
もう無理って言われたら
俺立ち直れんかも、、
あなたちゃんはその場で泣き崩れてしまった。
声を上げ泣くその姿に、心が苦しくなる、、
しかし、その泣いている合間に
と呟かれたその言葉を聞き、俺はもう一つ大切な話をあなたちゃんにする決意を固めた。
よかった、、
俺達はその後も話し合いを続け、今回のことについて直接話す機会を社長に作ってもらうことに決めた。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!