____体育祭
サンウォン先輩の、最後の体育祭。
今年こそはハチマキを交換する…
そう、意気込んでたのに。
額に輝く汗すら美しい、そう思ってしまうのは重症だろうか
先輩は学校全体のアイドル、みたいな人で、私には対等な人じゃない、そんなこと、ちゃんと分かってる。
それなのに、浅はかな期待をしてしまってる自分が惨めで、体育館に響く大きな歓声をぼんやり見つめた。
………さっき、私が出てた時は静かだったのに、ㅎ
ㅎㅎ、諦めなきゃ。今すぐにでも。
_____でも、まだ、諦められなかったみたい
私は体育祭終了のアナウンスと共に先輩の所へ向かった
だからといって貰えるかどうかなんて分からないのに期待した自分が馬鹿だった。
サンウォン先輩のはちまきはもう、
先輩の運命の人に渡されていたみたい
最大限の強がりをして、ひとり、教室に戻った。
帰る準備をしようとカバンを開ける。
すると、そこには見覚えのないハチマキが入っていて
でも、はちまきの端には『サンウォン』そう書いてあった
混乱したまま顔を上げると、教室のドアのところに先輩が立っていた。
…そうだった、私たちの出会いは雨の日、傘に入れてあげた時からだ
先輩に想っていた気持ちが、一気に溢れてきちゃって…ㅎㅎ
でも、先輩は何も言わずに、優しく私を包み込んでくれた。
ふわっと香る柔軟剤の匂いが心地よくて。
こんな幸せ、夢みたいだ。
……もう少しだけ、このままでいたい。
オッパは耳まで赤くしてㅎㅎ
____体育祭のジンクスは両片思いの味方のようだ












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。