場所は移り、控え室
( 下手な事して負けるのは以ての外それだけは絶対にしてはならない事…だからと言って個性は余り使いたくないな…)
(表が出たら個性を使う…よし)
まず最初に動いたのは芦戸。
酸を次々と放つことで、攻撃と牽制けんせいを同時に行うつもりのようだった。
だが、宵凪はその攻撃をいとも簡単に避けていく上に、ほとんどその場から動いていない。
攻撃が宵凪に通用しないと分かった芦戸は、酸の噴出口を掌から指先に代えた
相澤の言うように、芦戸の戦い方は悪くない。だが、どれだけ戦い方を代えようと当てられなければ意味がない
(銅貨…表喋る)
芦戸が飛ばした酸をヒラリと躱した胡蝶は、不敵な笑みを浮かべてた
宵凪が、構えた。
観客は何がヤバいのか全く分からないが
A組は違った、とても諦めの様な感情になった
宵凪の独特な雰囲気に呑まれた芦戸は、ほんの少しだけ動きを止めてしまう
それもそのはず、宵凪氷熾響は上に兄姉がおり全員プロヒーロー。
言わずもがな、プロヒーローに鍛錬見てもらっている事。其れは、新米とは違いTOP5に入る兄もおり
TOP10に入る自分の姉達…経験豊富なヒーロー…
強さも別格である
宵凪の手元がバチバチと青い稲妻を出しているのを見た芦戸は、慌てて攻撃しようとするが、もう遅い。
〜宵凪の技説明〜〖電雷白染編〗
簡単に言えば宵凪の個性の混血児の中の一つ【カンナカムイ】を使用した技であり、
青白い稲妻を手に集め、一気に暴発させることで相手に攻撃する技である。
イメージは、NARUTOの千鳥やHUNTER × HUNTERのキルアの技など
来るであろう攻撃に備える芦戸だが、予想していた衝撃はいつまで経っても来ない。
不思議に思った芦戸が目を開けると、そこには先程から全く動いていない宵凪がいた。
宵凪の技が失敗したのだと思った芦戸は、この隙を逃さないように攻撃を始めた。
これまでほとんど動かずに酸の雨を躱していた宵凪が、その場を大きく飛び退いたことにスタジアム中が興奮に包まれた
煽られても何も言わず只只笑顔でいる宵凪
このまま芦戸が勝利すると思っていた観客達だったが、数分後、この予想は粉々に砕け散ることになる。
急に動きを止めた宵凪に、芦戸は攻撃をやめ、観客、教師も不思議に思い静かになる。
突如として叫び声を上げたミッドナイトに、プレゼントマイクが声を掛ける。
観客 「『!?!?』」
芦戸が自分の足下を確認すると、右足が白線を越えていた。
観客
((バケモン以外の何者でもねぇよ!!))
ほぼ個性使用無しだった者の圧倒的勝利。
観客は少し間を開けて盛り上がりを見せた
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩「第六試合 常闇踏陰VS八百万百」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。