模擬戦が終わり、ブースから出る。すると、そこには出水先輩がいた。そして、隊への勧誘をしてきたのだった。また父さんが何かしたのだろうか。
でなければありえない。A級1位であるこの人が僕の元へくるなど。
そういえば、この頃の僕の態度は大きかったけど、それなりに太刀川隊のみんなとも上手くやれていたような気がする。弱かったけど。出水先輩も太刀川さんも優しかった。
その手を取れたらどれだけ楽か。どれだけ救われるか。それでも太刀川隊の皆を守るためには一人で腕をつけ、単独行動が許されるようにならなければ難しい。
出水先輩は特に機嫌を害することもなく、米屋先輩と去って行った。僕はトリガーを握って戦闘ブースへ潜った。早く正隊員にならなければいけないから。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!