第14話

12話 移植と新たな訪問者
75
2024/06/09 14:00
前回のあらすじ

白血病の骨髄移植の準備の為、何時間も続く吐き気に10日間も耐えたあなたのあなた。
そんな辛い日々を乗り越え、いよいよ移植日を迎える…。
出来る限りのことは全部やった。
…後は、上手く行くかどうかを願うだけだ。
梅宮一
梅宮一
あなたのあなた、大丈夫か?。
(なまえ)
あなた
うん。大丈夫。
榊雨竜
榊雨竜
…不安じゃ無いのか?。
(なまえ)
あなた
不安だよ。不安に決まってんじゃん。
上手く行くかも分からないのに…。
ギュッ、
(なまえ)
あなた
雨竜…?。
榊雨竜
榊雨竜
今の内にあなたのあなたに元気を与えておこうと思ってな。
(なまえ)
あなた
‼︎ ありがと…。
その瞬間、『コンコンッ』と病室のドアが叩かれた。
笠原凪
笠原凪
あなたのあなたちゃん、時間だよ。
(なまえ)
あなた
すぐ行きます。
じゃあ、行ってくるね。
梅宮一
梅宮一
行ってらっしゃい。
気をつけてな。
(なまえ)
あなた
…うん。
榊雨竜
榊雨竜
…生きて帰って来いよ。
(なまえ)
あなた
‼︎ 大丈夫だよ。雨竜。
私は死なないから、。
榊雨竜
榊雨竜
…そうだな。行って来い。
絶対、絶対、帰ってこいよ。
(なまえ)
あなた
うん。
行ってきます。
私は、兄と恋人に見送られ、私は移植が行われる部屋に向かった。
(なまえ)
あなた
ッ、ふぅ〜、。
深く深呼吸をして、入院着を脱ぎ、ベットにうつ伏せになる。
その後から、腰の部分だけが開いた青い手術用の布を笠原先生がかけてくれるた。
五十嵐悠斗
五十嵐悠斗
あなたのあなたちゃん、準備は良いかい?。
(なまえ)
あなた
大丈夫です。
五十嵐悠斗
五十嵐悠斗
じゃあ、全身に麻酔かけるね。
(なまえ)
あなた
お願いします。
私は全身に麻酔を施された。
1番早く打った所から比例して、段々と感覚が無くなっていく…。

麻酔を注射して、数十分も経つと、体の感覚は全て失われた。
その頃に五十嵐先生が声を掛けてくれた。
五十嵐悠斗
五十嵐悠斗
体の感覚は無くなったかい?。
(なまえ)
あなた
はい、無くなりました。
五十嵐悠斗
五十嵐悠斗
じゃあ、移植を始めて行くね。
(なまえ)
あなた
よろしくお願いします。
その瞬間から、移植が始まった。
骨髄を吸引、注入する機械が腰に刺さり、一瞬不快感に襲われる。
だけど、私は顔をしかめて我慢した。
笠原凪
笠原凪
骨髄注入開始します。
そこからは凄くあっという間だった。
気付いた時にはもう移植は終わっていて、
笠原先生から「成功したよ」と言われるまで、
中々実感が湧かなかった。
私はストレッチャーで病室に戻され、1週間は誰とも面会出来ないと言う事を五十嵐先生から聞いた。

そこから1週間が経ってお兄ちゃん達が来てくれたけど、そこに蓮歌と小春は居なかった。
梅宮一
梅宮一
いやー移植上手く行って良かったな。
(なまえ)
あなた
私も結構安心してるよ。
柊登馬
柊登馬
体調も良さそうだしな。
(なまえ)
あなた
まぁ、一応ね。
水木聡久
水木聡久
ストレートに聞きますが、移植はどんな感じだったのですか?。
(なまえ)
あなた
それがよく覚えてないんだよね。
あっという間過ぎて…。でも、機器が腰に刺さった時の不快感は忘れられないわぁ…。
そう言って、私は天井を仰ぎ、遠い目をした。。
四天王
(一体どんな感じだったんだ⁉︎。)
椿野佑
椿野佑
でも、思ってたよりかは体調も良さそうね。
(なまえ)
あなた
まぁ、一応ね。術後の経過も良いから2ヶ月後位には退院出来るだろう。って言われたよ。
桃瀬匠
桃瀬匠
なら安心だねぇ。
(なまえ)
あなた
ほんとにね。
そう言えば、雨竜はいつまでそんな顔してるの?。
榊晴竜
榊晴竜
雨竜、あなたのあなたちゃんが呼んでるよ。
晴竜がそう言って、雨竜が顔を出した。
榊雨竜
榊雨竜
無事で良かった…。
生きててくれて、ありがとう…。
(なまえ)
あなた
フェ⁉︎
雨竜がそんな事を急に言うから顔が熱くなって行くのが分かった。
(なまえ)
あなた
な、何急に⁉︎。
どったの、雨竜‼︎。
榊雨竜
榊雨竜
恋人が無事に戻って来てくれて嬉しいだけだ。
(なまえ)
あなた
‼︎ そっか、。
そこから2週間後には屋上に上がれる様になり、私は久し振りの屋上に心を躍らせ、屋上に足を進めた。
勿論、カーディガンを着てだ。

久し振りの屋上の扉を開けた瞬間、穏やかな風が私の体全体を包んだ。
(なまえ)
あなた
この風を感じるのも随分久し振りだな…。
そう言いつつ、私はスゥッと息を吸い込んだ。
(なまえ)
あなた
あと一粒の涙で ひと言の勇気で 願いがかなう その時が来るって
僕は信じてるから 君もあきらめないでいて
何度でも この両手を あの空へ

あの日もこんな夏だった 砂まじりの風が吹いてた
グランドの真上の空 夕日がまぶしくて
どこまで頑張ればいいんだ ぎゅっと唇を噛みしめた
そんな時 同じ目をした 君に出会ったんだ

そう 簡単じゃないからこそ 夢はこんなに輝くんだと
そう あの日の君の言葉 今でも胸に抱きしめてるよ

あと一粒の涙で ひと言の勇気で 願いがかなう その時が来るって
僕は信じてるから 君もあきらめないでいて
何度でも この両手を あの空へ のばして あの空へ

いつもどうしても素直になれずに 自信なんてまるで持てずに
校舎の裏側 人目を気にして歩いてた
誰かとぶつかりあうことを 心のどこかで遠ざけた
それは本当の自分を 見せるのが怖いだけだったんだと

教えてくれたのは 君と過ごした今日までの日々
そう 初めて口に出来た 泣きたいくらいの本当の夢を

あとひとつの坂道を ひとつだけの夜を
越えられたなら 笑える日がくるって
今日も信じてるから 君もあきらめないでいて
何度でも この両手を あの空へ

あつくなっても無駄なんて言葉 聞き飽きたよ もしもそうだとしても
抑えきれないこの気持ちを 希望と呼ぶなら
いったい 誰が止められると言うのだろう

あと一粒の涙が ひと言の勇気が 明日を変えるその時を見たんだ
なくしかけた光 君が思い出させてくれた
あの日の景色 忘れない

あと一粒の涙で ひと言の勇気で 願いがかなう その時が来るって
僕は信じてるから 君もあきらめないでいて
何度でも この両手を あの空へ のばして あの空へ
梅宮一
梅宮一
あなたのあなたはやっぱり歌上手いな。
(なまえ)
あなた
ありがとう、お兄ちゃん。
そんなたわいの無い2ヶ月間が続いた。
今日私は退院の日を迎える。
五十嵐悠斗
五十嵐悠斗
あなたのあなたちゃん、退院おめでとう。
(なまえ)
あなた
お世話になりました。
笠原凪
笠原凪
いつでも来てくれて良いからね。
(なまえ)
あなた
凪ちゃん、六年間ありがとう。
風蘭音楽祭絶対来てね。
笠原凪
笠原凪
行くに決まってるでしょ‼︎。
(なまえ)
あなた
またね。
笠原凪
笠原凪
ええ。またね。
そう言って私は病院を出た。
病院の敷地を出てすぐ、私は思わず歩く足を止めた。
そこには、つい先日再会したばかりの焚石達が立っていたから…。
(なまえ)
あなた
なんか用?。
棪堂、焚石。
棪堂哉真斗
棪堂哉真斗
まぁ、な。
退院おめでとさん。
(なまえ)
あなた
…ありがと。
焚石矢
焚石矢
お前にだけは先に言っておこうと思ってな。
(なまえ)
あなた
棪堂哉真斗
棪堂哉真斗
俺らは6月21日、風鈴を潰して街を本来の姿に戻す。
(なまえ)
あなた
…は?、何言ってんの?。
正気?。
盤杖奏音
盤杖奏音
正気だよ。あなたのあなた、。
(なまえ)
あなた
あのさぁ、ふざけてんじゃ無いわよ。
頭イカれてるわけ?。
杓子千宙
杓子千宙
イカれてなかったらこんな事言わねーよ。
(なまえ)
あなた
…良い加減にしてよ。
棪堂哉真斗
棪堂哉真斗
は?。
何をだ?。
(なまえ)
あなた
街を壊してアンタ達は何がしたい訳?。
10月の風蘭音楽祭の為の準備も進んできてるし、私にとっては最初で最後の音楽祭なのよ。
どれだけ街が荒れてもこれだけは絶対に変わらなかった。私"達"は全力でアンタ達を止める。
烽メンバー
…。
梳地弦治
梳地弦治
随分と言うようになったじゃねぇか、あなたのあなた。
(なまえ)
あなた
馴れ馴れしく私の名を呼ぶな。
私はその瞬間、自分でもビックリするくらいの低い声が出た。
(なまえ)
あなた
私は何が何でも、学校の伝統と歴史を守らなければならない。
それをお前らに自ら壊させに行くなんて絶対させない‼︎。…それだけよ。
でも、ひとつ忠告してあげる。
焚石矢
焚石矢
何だ?。
(なまえ)
あなた
今回の抗争、負けるのは貴方達の方よ。
棪堂哉真斗
棪堂哉真斗
何だと…⁉︎。
全力で造定だよ‼︎。ごめんね‼︎。
             by.作者。
(なまえ)
あなた
その時にならないと分からないけど、アンタ達はほぼ100%の確率で負ける。ただそれだけよ。
じゃあね。
そう言って、私は学校に向かって足を進めた。
作者
作者
12話終了です‼︎。
色々と造定が多くなりましたが、気にしないでください。
次回、再会。お楽しみに‼︎。
では、また。

プリ小説オーディオドラマ