─鳥待月
あれから、十月三日……
って、そんな言葉はないんだけど…//(笑)
予定より、1週間早く…

元気な、男の子が誕生した…
『わぁ…///
初めましてー…////
やっと、会えたね…//』
【ふふっ…//(笑)
やっぱり…言っちゃってるじゃん…//(笑)】
『あっ…//(笑)』
あなたの妊娠が分かって…
安定してから、今日の今日まで…
『俺は、この子が産まれてからすぐの
一言目に、初めましてじゃなくて…
“こんにちは、僕らの宝物…”って伝えるわ!』
そう伝えるって決めていたのに…
『初めまして…って…言っちゃったよ!//(笑)』
【でしょ?//(笑)
私も言っちゃった…//(笑)】
きっと、一言目に出てくるのが…
本当の気持ちなんだろう…//
息子を見つめる、あなたの目は…
この上ないほど優しくて…
額や首筋に、滲んだ汗は…
勇敢で、誇らしかった…
『お疲れ様…///
よく頑張ったね…?』
【うん……///】
強さと儚さ兼ね備えた…
羽のように、ふんわりと笑う顔は
冥利に尽きていて…
それこそ、俺でも初め見るその表情……
どんな瞬間のあなたよりも…
ずっと…
美しく輝いていた…
『ありがとぉ…///
元気な赤ちゃんを産んでくれて…///
ありがとぉ…///
あなたも、元気でいてくれて…///』
【亮平……///】
目尻から零れ落ちた一筋の涙…
ちゅっ…
その瞼にキスをすると…
「っちゅん…!」
『【えっ!?//(笑)】』
『今、くしゃみした?(笑)』
【くしゃみしてたね?笑)】
あまりにも、良すぎるタイミングに…
『はぁ…きっとこれは…///』
【ん?(笑)】
『あなたの取り合いになりそうだね?//(笑)』
【ふふふっ!//(笑)
光栄です…//(笑)】
『ふははっ!//
ほんとにそうなれば…
大人気ないよね!//(笑)』
【まぁ、それは今後の…
亮平次第かなぁ?(笑)//】
『精進します!!//(笑)』
これから、少なくなっていくであろう…
あなたからの、亮平呼び…
『ねぇ、もう一回……』
【ん?】
『俺を呼んでみて?(笑)』
【え?亮平…?(笑)】
『うん!//ありがとぉ!//(笑)』
【なにそれぇ?(笑)】
俺の名前を呼ぶ、あなたの声を
グッと噛み締めた…
そして、その日の夕方…
花屋の友達から、病院に送られてきたお祝いの花…
『あれ?いちご……!?///』
【えっ!?///】
そこに添えられてる
メッセージカードに書かれた言葉…
─亮平&あなたさん!おめでとう!(笑)
今日の誕生花は、いちごです!
いちごの花言葉は、今日という日に相応しい
“幸福な家庭”という意味があります…
これからも、いちごの花言葉のように
世界一幸せな家庭を築いてくれよ!
𓏸𓏸年 4月13日 Miuraより!─
『まじか!!//
繋がりが凄すぎる!///』
これはもう奇跡だわ…//
【早く出してくれって言ってた理由はこれ?//(笑)】
あなたが頬をつんつん触ると…
顔をクシャッとさせた息子…
『はははっ!//(笑)
凄いしかめっ面…//(笑)』
【ふははっ!(笑)
なんか、優希也を見てるみたい!//(笑)
そっかぁ…//
ママの好きな物、知ってたのかぁ…//】
不意に出てきた、優希也さんの名前…
本人に、直接会ったことは無いけれど…
何となく…
彼に似ている気はしてる…
『あなたママか……//(笑)』
【亮平パパ…//(笑)】
『なんか…嬉しいね…//』
やっと、今この瞬間…
パズルが完成したんだな…
少しずつ、拾い集めてはめ込んでいった…
あの日…
あの始まり場所へ…
滝沢さんがあなたを連れてきた理由…
そして、俺と引き合わせてくれた意味…
【ねぇ、亮平……?】
『ん?』
【幸せすぎてどうしよ?///】
そう呟いて、涙を流すあなた…
『おいで……』
胸に抱き寄せ、頭を撫でる……
『それでいいんだよ?
幸せでいい…!この子を幸せにするためには…
あなたが、幸せできなきゃ意味無い…』
【私……///この子のためなら死ねると思った…//
それくらい……///この子が愛おしい…//】
『うん…、俺も同じ…///
最後まで守るよ…!
俺の、かけがえのない家族だから…//』
【ありがとぉ…///】
心に、確かなものを得た…
今日という日を迎えるまで……
過ごしてきた日々は…
一日一日が順風満帆って訳では無かったけど…
乗り越えた、数々の困難は…
決して無駄じゃなかったから…
ヒュ──……
『【……!?】』
突然、穏やかに吹くあたたかい風…
漫画やアニメみたいな話だけど……
『優希也さん……?』
【優希也……?】
きっと、祝福しに来てくれたのかなぁ?












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。