第13話

13話
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2023/03/11 03:00


あなた
……えっ…?

想像していなかった彼等の言葉に
思わず気の抜けた返事をしてしまう。
フレッド
フレッド
嫌、だったか…?
ジョージ
ジョージ
急に言われてもだよな…

そう言う彼等は見るからに落ち込み、
まるで犬が耳を垂らしているようにみえる。
あなた
ち、違うよ!?
あなた
ただ、急に言われたから驚いただけで…
あなた
嫌な訳じゃ…ない…
フレッド
フレッド
本当かっ!?
ジョージ
ジョージ
本当かっ!?

流石は双子…と言うべきなぐらい
勢いもタイミングも完璧に同じ。
あなた
う、うん…//

段々と恥ずかしくなって
自身の頬が赤くなるのが分かる。

フレッド
フレッド
…あなたも、俺達の事好きか…?
ジョージ
ジョージ
''友達'' としてじゃなくて
あなた
… ''友達'' じゃない…好き…
フレッド
フレッド
!?
あなた
…なの、かな…
ジョージ
ジョージ
''かな'' …?
あなた
2人の事は好きだよ
あなた
でも、これが ''恋'' なのかは…
あなた
……分からない…
フレッド
フレッド
そういう事か!
ジョージ
ジョージ
なら平気だな!!
あなた
えっ?
フレッド
フレッド
あなたが俺達を好きだって
気づけたら良いんだろ!?
あなた
えっ、えぇ…そうだけど…
ジョージ
ジョージ
なら俺達に任せろ!!

彼等は目を輝かせて私を見ている。
まるで新しい悪戯を思いついた時のように…
あなた
嫌な予感がするんだけど…
フレッド
フレッド
そんな身構えなくても平気さ(ニヤッ)
ジョージ
ジョージ
ああ、俺達がちょっと
本気になるだけだから(ニヤッ)
あなた
ほ、本気に…?
フレッド
フレッド
ああ、覚悟してろよ?あなた
ジョージ
ジョージ
すぐに俺達が好きだって分かるからさ












〜〜

あの時の私の嫌な予感は
どうやら的中していたらしい。
フレッド
フレッド
あなた〜!おはよう!
ジョージ
ジョージ
おはよ!あなた、会いたかったぜ!

朝の挨拶をすると同時に彼等は
私をその大きな身体で包んでくる。
ジョージ
ジョージ
あなたと同じ寮だったら
こんなに寂しくないのに…
フレッド
フレッド
そうだ!
俺達の部屋に泊まりに来ないか!?
ジョージ
ジョージ
相棒、俺も全く同じ事を考えてたぜ!!
あなた
い、行かないわよ!!
あなた
それよりも離れてよ!//
フレッド
フレッド
全く、俺達の姫は照れ屋だな〜
ジョージ
ジョージ
まっ、そんな所が可愛いんだけどな〜
あなた
からかわないで、!//

''あの日'' 以降こんな感じ。


彼等は朝から晩まで、授業が違う時以外はずっと
私の傍にいて ''好き'' や、''可愛い'' と
言い続けている。

嫌ではないけど……周りの目が…
mob(男)
ウィーズリー達凄いな…
mob(女)
もうここ数日ずっとあんな感じよね?
mob(男)
スフィアもそろそろ答えてあげたら良いのにな
あなた
(''答え'' って言われても…)

そう。未だに彼等に対する好きの
正体は分かっていない。


もう少しで分かりそうな気はするけど…
後一歩、確信が持てない。


でも、こうして ぐずぐず していても
気持ちを伝えてくれる彼等に申し訳無い…。
フレッド
フレッド
あなた?どうかしたか?
ジョージ
ジョージ
何か気になる事でもあるのか?
あなた
ごめんね…まだ答えが出せなくて…
フレッド
フレッド
何言ってるんだよ!
ジョージ
ジョージ
俺達が好きであなたに
気持ちを伝えてるんだぜ?
フレッド
フレッド
そんなに焦って答えを
出そうとしなくて良いさ!

やっぱり、彼等には敵わないな…
あなた
…2人共、ありがとう(ニコッ)
あなた
でも、もう少しで
分かりそうな気はするの
あなた
''後一歩''?みたいな感じ
ジョージ
ジョージ
そうなのか!?
フレッド
フレッド
じゃあキスでもしてみるか?(ニヤッ)
あなた
っ、!! な、何言ってるの!?///
ジョージ
ジョージ
相棒……
あなた
(あっ、ジョージ怒ってくれる…?)
ジョージ
ジョージ
名案だな…!!!
あなた
っジョージ!!!

全くこの2人は…。
アンジェリーナ
アンジェリーナ
何だか賑やかね笑
あなた
アンジェリーナ!
アンジェリーナ
アンジェリーナ
仲直りしたのね(ニコッ)
あなた
うん、2人から聞いたんだけどね…
あなた
助けてくれてありがとう(ニコッ)
アンジェリーナ
アンジェリーナ
気にしないで!''友達'' でしょ?
あなた
アンジェリーナ…

彼女の優しさが身に染みる。
フレッド
フレッド
おーい、そろそろ俺達のあなたを
返して貰えるか?
アンジェリーナ
アンジェリーナ
誰があなた達のあなたよ
ジョージ
ジョージ
今、俺達は大事な話をしてたんだぜ?
アンジェリーナ
アンジェリーナ
あなた達が一方的にあなたに
迫ってただけでしょ?
あなた
ふふっ笑 
フレッド
フレッド
ん?どうした?(ニコッ)
あなた
ううん!幸せだなって思っただけ!
ジョージ
ジョージ
幸せ?
あなた
そう!また皆で話せてる幸せ!
あなた
じゃあ私授業だから行くね!
フレッド
フレッド
ああ!またな〜!
ジョージ
ジョージ
夕食の時にな〜!







フレッド、ジョージ、アンジェリーナ…

皆とまたこうして他愛も無い会話が
出来ている事実に心が舞い踊る。


夕食の時は何を話そうかな…!
この後の授業で何か話せる事が起こらないかな!


私はそんな事を考えながら
軽い足取りで教室へと向かっていた。







その時…


ゴツッ!!
あなた
ッ!!???


突如、頭に強い衝撃が走ったかと思うと
私はバランスを崩してその場に倒れてしまった。



朦朧とする意識の中で見えた顔と
聞こえてきた声は……
ラナ・コープス
全く、手のかかる人だわ____













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