第34話

第二十七話 刀のスペシャリスト
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2026/02/19 09:00 更新
《Side:あなたの偽の名前》

(道場)

お互いに隊服の上着を脱ぐ。

上着着ても動きが鈍る訳じゃないけど、お互いの斬撃で上着が着れたら直さないといけないから、それを避けるため。

そしてお互いに向き合いながら、自分の刀を鞘から抜き取る。
保科宗四郎
これが蛇腹剣か
斬撃と打撃を相手に同時に
与えられるんか
(なまえ)
あなた
えぇ、これ便利でボタン一つでモード切り替え出来るんですよ
保科宗四郎
ほぅ、ホンマに便利やね
(なまえ)
あなた
でもこれ初めて扱った時は自分が傷つきましたよ、力加減間違えると使い手も傷つくじゃじゃ馬です
保科宗四郎
そんなじゃじゃ馬を扱うあなたの偽の名字さんと手合わせなんて、正直わくわくするわ
(なまえ)
あなた
同意見です
では、そろそろ始めましょうか(ジャキッ
保科宗四郎
せやな、ほんじゃ…(スッ
始めよか
お互いに刀を構えて、見つめ合う。

アタシが先に行くか、保科宗四郎が先に行くか…

よく足元を観察する。
保科宗四郎
…っ!!(ブンッ
アタシが足元を観察してるのを察したのか、保科宗四郎は双剣を勢いよく振るい、斬撃をこちらへぶつけてきた。
(なまえ)
あなた
アタシは斬撃を躱すと同時に持ち手のボタンを押して蛇腹剣を鞭モードにする。

そして蛇腹剣を思いっきり振る。
(なまえ)
あなた
はあっ!(ブンッ
保科宗四郎
おっと(スッ
躱された。

やっぱ素早い保科宗四郎に攻撃が当たる可能性は低い。

まあそれは単体用の攻撃じゃそうなるよね。

まあでも、技の精度を上げたい。

まずは刀モードから。

持ち手のボタンを押して刀モードに戻す。

相手が速いに特化してるなら、その速さに打ち勝つ力が必要。

なら単体専用のこれかな。
(なまえ)
あなた
防衛隊式鞭剣術1式"真向斬り"
保科宗四郎
っ!
また躱された。

やっぱりアタシの力じゃ打ち勝てないよね…

ならこっちもスピード勝負だ。
(なまえ)
あなた
防衛隊式鞭剣術2式"紫電一閃"
光の速さのごとく、相手に突っ込みながら刀を振る。

が、これも躱された。
保科宗四郎
よっと
へぇ…結構速い動きやないか
僕もそろそろ攻撃に回らせて
もらうで
保科宗四郎が双剣を構える。

まずい、来る!
保科宗四郎
一発の斬撃はあなたの偽の名字さん躱すやろうし…ほなこれでいくか
保科宗四郎がこちらへ駆け寄る。

まずい、これ避けれな…
保科宗四郎
刀伐術4式"乱討ち"
保科宗四郎が何度もアタシに斬りかかる。

…これは賭けだけどするしかない!

アタシは斬撃が身体に届く直前に蛇腹剣を鞭モードにする。
(なまえ)
あなた
防衛隊式鞭剣術4式"鶯籠"
(ジャキジャキッジャキーンッ
アタシは鶯籠で自分の身を守りつつ、保科宗四郎の斬撃を全部受け流した。
保科宗四郎
!!
一か八かの賭けだったけど、なんとか無傷で済んだ。
(なまえ)
あなた
ハァ…はぁ…っ
鶯籠…これは自分の身や鶯籠より内側を守るために作った技。

外側の敵をこちらに近づけさせないために広範囲に斬撃と打撃がいくようにしたから、狭い範囲で使うなんて考えてもなかった。

吉と出るか凶と出るか分からなかったけど成功してよかった!
保科宗四郎
結構頭冴えるやん
やり甲斐があるわホンマ
(なまえ)
あなた
ありがとうございます…
鶯籠の使い方、学べました…
保科宗四郎
鶯籠…名前からして蛇腹剣鞭モードを大きく何度も振り回して外敵から身を守る技やろ?
(なまえ)
あなた
はい、でも正直これが成功するか分かりませんでした
保科宗四郎
多分広範囲用やろそれ
狭い範囲…それもあの至近距離でするには危険すぎるな
(なまえ)
あなた
でも成功しました
これをもっと磨けば鶯籠をもっと
スゴい技に出来ます
保科宗四郎
向上心があるのはええことや
さ、続きしよか
(なまえ)
あなた
はい!
アタシは蛇腹剣を構え直す。
保科宗四郎
遠慮はいらなそうやな…
刀伐術2式"交差討ち"
(なまえ)
あなた
見えない斬撃…!

しかもさっきより範囲が広い。
保科宗四郎
刀伐術1式"空討ち"
また見えない斬撃…しかも交差討ちから間がない!

交差討ちは範囲が広い、今避けても間に合わない。

交差討ちを受け流せても空討ちがすぐに来る。

なら…これの出番かな!
(なまえ)
あなた
防衛隊式鞭剣術5式"竜巻"
刀身を出来るだけ長く伸ばして蛇腹剣を大きく回す。

するとゴオオオオォ…という音と共に強力な風が起きる。

この風の勢いで斬撃を相殺する。

これは新しく作った技で、こっちに突っ込んできた敵を木っ端微塵にするために作った技。

これもかなりの勢いがあるから、攻撃の威力を相殺できる。
保科宗四郎
竜巻起こして僕の斬撃を相殺するとは…結構脳筋なんやね
(なまえ)
あなた
避けれないなら勢いを相殺するまで
守りも出来るようにするのが
賢い戦法だと思ってます
保科宗四郎
ホンマえらい努力やな…
ここがもっと広かったら竜巻に
僕も巻き込まれるとこやった
(なまえ)
あなた
保科さんにそう言ってもらえるなんて
嬉しいです
保科宗四郎
まあ…次の奴は受け流せるか分からんで?
(なまえ)
あなた
保科宗四郎
はあっ!!(ブンッブンッ
保科宗四郎はさっきと同じように斬撃を二回繰り出す。

竜巻で受け流すか…
(なまえ)
あなた
違うこれは…二連撃を囮にして隙をつく奴だ!!

保科宗四郎がさっきと同じことをするわけがない。

案の定先ほど彼がいた場所にはもう彼はいなかった。

まずい、どの方向に避けても負ける!

保科宗四郎の霞討ちだ!!
保科宗四郎
はあぁっ!(ブンッ
後ろから保科宗四郎が襲いかかる。

アタシは素早く蛇腹剣を振って、保科宗四郎の右腕に刀身を巻き付けて掴む。

ガシッ
保科宗四郎
何やと!?
(なまえ)
あなた
防衛隊式鞭剣術6式"荊蔦"
これは攻撃を捨てて、相手の一部に巻き付けて動きを制限する技。

相手の隙を突くことで成功する。
保科宗四郎
こないな技もあるんか
想像力豊かで面白いやん(ギチギチッ
(なまえ)
あなた
それ無理やり外さない方がいいですよ
今の絞め具合だと動けば刀身が肌に食い込んで皮膚を裂くでしょう
保科宗四郎
だから荊蔦ね…
(なまえ)
あなた
苦しいですよね
今外します
アタシは蛇腹剣を握っていた手を緩めて保科宗四郎の腕を解放する。
保科宗四郎
敵に優しさを見せるなんてお人好しやね
(なまえ)
あなた
…あ
やってしまった。
保科宗四郎
刀伐術6式"八重討ち"
どうする、このままじゃ負ける。

多分保科宗四郎は鶯籠も竜巻も荊蔦も対策出来る。

…仕方ない、これはあまり使いたくなかったんだけど。

失敗したらもう負け確定。

どうか成功しますように…

アタシは蛇腹剣を剣モードに戻して、構えを取り素早く保科宗四郎へ駆け寄って刀を振るう。

それとは別にすぐに蛇腹剣を鞭モードにしてまた次の一撃を放つ。
保科宗四郎
!?(ジャキーンッ
刀で受け止められたが、想定外の攻撃だったらしく、保科宗四郎は完全には受け止めきれず軽く吹っ飛んでいった。
(なまえ)
あなた
防衛隊式鞭剣術7式"蜃気楼"
この蜃気楼は相手に攻撃すると見せかけて、一回目の攻撃を囮とする。

その次の斬撃を間を空けずに一回目の攻撃とは"反対の方向"に素早く、相手に悟られる前に放つことで初めて技として成り立つ。

アタシがもう一撃振るう前に鞭モードにしたのは刀のままだと勘づかれて完全に防がれてたかもしれないから。

しかしこの技は自分でも至難の技。

相手に先に勘づかれたら終わり。

自分も手こずったら終わり。

と産みの親であるアタシでも難しい技である。
保科宗四郎
あっぶな!
これ当たってたら死ぬとこやった
(なまえ)
あなた
模擬剣なので死にはしませんが…
痛っ(ズキッ
鞘に蛇腹剣を収めた直後、アタシは突然の左手首の痛みを感じ、左手首を押さえた。

蜃気楼は身体を超素早く動かすことで成り立つ。

そんな力技をゴリ押しでやったら身体のどっかしら痛めるのは想像つく。
保科宗四郎
どした?
保科宗四郎が双剣を鞘にしまいながら、心配そうに駆け寄ってきた。
(なまえ)
あなた
あー…この蜃気楼って技。アタシにも結構影響あって…何回も打てる技じゃないんですよ
保科宗四郎
なるほどなぁ
でもあの状況を切り返す技が
残っとったのは意外やった
(なまえ)
あなた
保科さんの霞討ちと同じですよ
実際、保科さんの技とても綺麗だったのでオマージュさせていただきました
保科宗四郎
お、ホンマに?
そら嬉しいなぁ
(なまえ)
あなた
保科さん、アタシの技について何かアドバイスいただけませんか?
刀のスペシャリストと呼ばれる保科さんの助言ぜひ参考にしたいです
保科宗四郎
えー…そないなこと言われても
君の技かなり凄い完成度やったし
アドバイスできることないわ(^-^)
(なまえ)
あなた
エッ
凄い笑顔で言われた…
保科宗四郎
あんな技を一から作ったんやろ?
そんな大事な技を僕が口出しするわけにはいきませんよ
(なまえ)
あなた
いやいや、刀のスペシャリストである保科さんの意見がほしいです!
何でもいいですから!
保科宗四郎
困ったなぁ
そないなこと言われてもないねん!
保科宗四郎が頭を抱え始めた。

しかしその数秒後、何かを閃いたのか瞳孔が開いていた。
保科宗四郎
あ、一つだけあるわ
(なまえ)
あなた
何でしょうか!
保科宗四郎
蜃気楼って技…
(なまえ)
あなた
蜃気楼が何ですか…?
保科宗四郎
技名の意味と技の放ち方全く反対やから変えたほうがええでwww
保科宗四郎が爆笑しながら答える。

やばいこれ、結構心に来る。
(なまえ)
あなた
うぐっ(グサッ
そう、蜃気楼は自然の現象が重なりあって発生する現象。

それをゴリ押しでそう見せてるアタシには保科宗四郎…保科さんの言葉はクリーンヒットだった。
保科宗四郎
いやーさっきの蜃気楼
受けた直後はマジで蜃気楼みたいに反転したのかと思ったけど、あなたの偽の名字さんの発言でゴリ押しだったんが分かってなww
(なまえ)
あなた
結構賭けでしたよ
というか保科さんと手合わせしてる時、ほとんど負けるかもって思いましたし
保科宗四郎
まあ僕の方がまだ上ってことやな
でも同じ副隊長としては僕と刀でこんなやり合える奴、君が初めてや
(なまえ)
あなた
…!
保科宗四郎
ほな僕はやることがあるからそろそろお暇させてもらうで、今日は引き分け
次手合わせする時が決着の時や(バサッ
保科さんが上着を羽織りながら出口へ向かう。

鳴海隊長とはまた違ったカッコよさの人だ…!
(なまえ)
あなた
この度はありがとうございました!
アタシは保科さんの背中を見ながら敬礼した。

保科さんは手をこちらに振るとそのまま道場から出ていった。
(なまえ)
あなた
また手合わせ出来る日が来るまでに
強くならないと!
アタシはガッツポーズをして、心から強くなろうと誓った。










































《Side:鳴海》

(道場裏)
鳴海弦
ホォォォォォシィィィィナァァァァァァァ
ボクは保科に突っかかる。
保科宗四郎
え!?な、鳴海隊長…!?
鳴海弦
よくもうちの隊員に怪我させたなァ!!
実はボクはこっそり道場の窓から二人が手合わせするところを見ていた。

そしてあなたの偽の名前が怪我してたのもバッチリ見てたのだ。

許せん!ボク様のあなたの偽の名前を傷つけて生きて帰れると思うなよ!!(まだ付き合ってないし勘違いしてる)
保科宗四郎
えぇ…怪我…?
あ、あなたの偽の名字さんのアレか
アレは彼女の蜃気楼という技の副作用で、僕がやったわけではありません
鳴海弦
だとしても!ボクの隊員に怪我させたのは事実!!出禁にするぞ!!
保科宗四郎
はぁ…あ、もしかしてあなたの偽の名字さんのこと気にかけてるんですか?
(直訳:あなたの偽の名字さんのこと好きなんですか?)
鳴海弦
は、はぁ!?別にそんなんじゃないが!?
保科宗四郎
安心してください、僕と彼女はただの刀仲間で、次の手合わせを約束しただけの仲なので
鳴海弦
そ、それならまあ…いいが…
保科宗四郎
ほな僕はこれで、失礼します
保科はボクにお辞儀をすると、そのまま基地の門へ歩いていった。





































おまけ:おまりの分かりやすさに、保科宗四郎にも察される鳴海であった。

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