神野での戦闘の後、私と勝己は警察での事情聴取を受け、保護者の元へ帰された
私の心に、ひっかかりを残して
無言の空間に、私とお父さんの呼吸音だけが響く
感動の再会とはならなかったが、ミッドナイトさんとマイクさんはこの空気感から目を逸らして、別室へ向かった
オールマイトの力の消滅、
それの引き金が、私だと思ってしまうのだ
いや、事実私がやったとも過言ではない
…不幸の沼に他人をどんどん引き摺り込んでしまっている
これがヒーローを目指すものの人生なのか?
その問いかけには、誰も答えられない
秒針が時計を何度も回るのを感じたのか、お父さんは口を開いた
それはそうだ。あれだけの事件があり、私が無事でいられたのは、奇跡なのかもしれない
…奇跡だからこそ、私は誰もを不幸に向かわせているのかもしれない
まずいですね、ますますネガティブな方向へ落ちてゆく
それを察しているようで、
お父さんは、いろんな感情が入り混じり、眉を落としていた
擦り傷の残る私をお父さんは強く抱きしめた
あったかい、私の冷えていた心に、ぬくもりが戻ってきました
この言葉は、幾つもの人に向けたものだった
…にっこりと怒りが隠されてない微笑みを浮かべたお父さんに、全身に鳥肌が立つ
怖い、不気味、怖い
感情がぐっちゃになってます…
そう、今回の元凶であるオール・フォー・ワンがつぶやいた
「個性の覚醒」
少なくとも、私の個性の概要を全て知っているという意味もとれる
そして、私の実親のことも話していたことから、深くまで調べられていたことも分かる
嬉々として彼が話していた記憶が甦り、逆撫でられるような感覚が走った
あの感覚は、当分忘れそうにないでしょうね
面倒臭いですね…
何故バレた
待って嫌な予感します、なんだ
お父さんの顔がまだ不気味な…ごほん、怖い笑顔に…












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。