第3話

灰谷竜胆 頭痛&発熱 *♢
4,907
2022/03/08 11:14 更新
時間軸は梵天。看病は蘭、ココ。過呼吸表現ありです。口調・呼び方おかしいかもです。


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side 竜胆


現在時刻PM13:05
灰谷 竜胆
ぅー…頭いた…


今日、朝起きたら頭痛がした。最近、書類整理とか取引とかユダのスクラップとか色々あって忙しかったから、その反動なんだろうなと思った。ただ、朝はそんなに酷くなかったし、何とかなるだろうと思って、兄の蘭を起こして事務所に来た。

それが間違いだったのかもしれない。昼の13時を回った今、頭痛が酷い。ずっと頭の内側から鉄パイプで殴られた時のような痛みが襲いかかってくる。

今事務所にいるのは、俺とボス、鶴蝶、そしてココの4人。他のメンバーは海外主張やらユダのスクラップやら取引やらで外出中。ボスはソファで寝ているし、鶴蝶とココはそれぞれの仕事の確認とか書類整理。俺は頭痛が酷いけど、デスクでパソコンとにらめっこ中。正直、ブルーライトのせいでまた頭痛が悪化しているような気がする。
灰谷 竜胆
…この後って、なんかあったっけ…
そう呟いて予定を確認する。
この後は…ユダのスクラップ案件が15:00から。
メンバーは兄ちゃんと三途、俺の3人。
灰谷 竜胆
うわ、まじかぁ…ユダの声とか銃声とか、耐えれるかな…
今の体調でスクラップ案件の仕事に行ったら、ユダの奇声とか、銃声とか、そういった音とか声に耐えることができるのかが分からない。
なんて考えていたら
灰谷 蘭
灰谷蘭、戻りました〜
と、兄である蘭の声がして、帰ってきたことを知らせた。兄の方を見ると、顔は返り血で少し汚れていたが、スーツはひとつの汚れもなかった。
九井 一
おかえり蘭。どうだった?なんか吐き出したか?
ココが蘭にそう聞く
灰谷 蘭
なんか、ボスのことが気にくわないから襲撃しようとしたんだってさ。三途が頭に一発やってそいつは即死
九井 一
そうか。…最近ユダが多い気がするんだが気のせいか?
灰谷 蘭
それ、俺も思った。今日なんかあと1つスクラップがあるからね
兄ちゃんとココがそんな話をしている間に、三途が入ってきた。三途も返り血で顔が汚れているが、スーツは汚れていない。そのまま三途はボスの所へ直行。
三途 春千夜
ボス〜
三途春千夜、戻りました!
佐野 万次郎
んん…?あぁ、おかえり三途。どうだった
三途 春千夜
全員しっかりとスクラップしましたよ!
佐野 万次郎
そうか、お疲れ様
ボスと三途はそんな短い会話をする。
灰谷 蘭
りんど〜ただいま〜
ココとの話が終わったのか、兄ちゃんがこっちに向かってきた
灰谷 竜胆
おかえり兄貴。お疲れ様
灰谷 蘭
ありがとう、りんど〜
次のスクラップは竜胆も一緒だっけ?
灰谷 竜胆
そうだよ。それより、先に顔洗ってきな。血、ついてるから
灰谷 蘭
はーい
顔を洗ってきたら?と言う俺に、兄ちゃんは返事をして洗面所へ向かった。

そして、パソコンの方に向き直そうとしたとき
佐野 万次郎
…竜胆
と、ボスに名前を呼ばれた。
急に名前を呼ばれたため、少し驚きつつもボスの方をみる。
灰谷 竜胆
どうしたのボス?
佐野 万次郎
…竜胆、お前体調悪いだろ
…え?待って、バレた?
灰谷 竜胆
え?そんなことないよボス。気のせいじゃない?
どうにか「いつも通り」を装って答える。
佐野 万次郎
嘘。本当の事言え
…ボス、勘良すぎでしょ…
灰谷 竜胆
……実は、ちょっと朝から頭痛がしてて…でも、大丈夫だから…!
ボスの勘の良さに降参して、正直に頭痛がすることを言う。けど、最後に「大丈夫だから」と付け足した
九井 一
気づかなかったけど、竜胆の顔色悪いな…最近忙しかっただろ。この後の仕事、他の奴に回せば?
ココに「顔色が悪い」って言われて、「仕事は他の奴に回したら」と提案された。
灰谷 竜胆
いや、本当に大丈夫だって。それに皆他の仕事あるでしょ?
ココは書類整理とかあるし、ボスはその書類の確認作業。望月はまだ外での仕事だし、明司は相談役としての仕事。鶴蝶も他に仕事がある。ユダのスクラップには、下の奴らを行かせられない。だから俺が行くしかない。本当は代わってもらいたかったけど、断った。
佐野 万次郎
…わかった。ただ、無理はダメだから。頭痛が酷くなったら蘭に言え
ボスも、その事がわかったのか「無理するな」と言ってくれた。
灰谷 竜胆
了解、ボス。…ごめん、ありがとう
佐野 万次郎
一応、蘭にはこのこと伝えておくから
灰谷 竜胆
うん、わかった
そう言って、ボスはソファから離れていった。
それから時間が経って、現在時刻15:01
灰谷 蘭
さーて、どうして梵天を裏切ったのか、話してもらおうか
兄ちゃんが笑いながらユダに話しかける。

俺らは今、事務所の地下にいる。今居る地下が、ユダのスクラップ場所。コンクリート張りの壁や床、そして天井にはランプが1つ、吊り下げられている。拷問器具はあるし、壁と床は所々血で赤黒く汚れていて、臭いがキツい。正直、頭痛がするのにこの場にいるのは本当に辛い。
兄ちゃんがユダの話を聞いている間、側について一緒に話を聞く。ユダの声が煩くて、頭痛が悪化していっている気がする。もう、はやく全て話してほしい。
そんなことを考えている間に、全て聞き終わったらしい。兄ちゃんはそいつに背を向けて
灰谷 蘭
三途、やっちゃっていいよ
と、三途に声をかけた。
俺と兄ちゃんは少し離れた所へ移動する。
三途はユダの背後へ。
三途 春千夜
やっとかぁ…"裏切り者に梵天の鉄槌を!!!"
と言うわけで、じゃあな
パンッ
銃声が1発。ユダの頭に銃弾が入り、前のめりに倒れる。
灰谷 竜胆
っぅ…
銃声が頭に響いて、小さく呻いてしまった。その声が聞こえたのか
灰谷 蘭
竜胆?どうした?
と兄ちゃんが問いかけてきた。
灰谷 竜胆
っいや、なんでもない
迷惑をかけたくなくて、少し強がって返事をする。
灰谷 蘭
竜胆。ほんとのこと言って?ボスから頭痛いってことは聞いてるから
兄ちゃんの言葉に「あ、そうだった」と思い出す。
灰谷 竜胆
っ……さっきの銃声で、ちょっと頭痛が酷くなっちゃて…
灰谷 蘭
ん、そっか、ありがとな教えてくれて。他に辛いところないか?
灰谷 竜胆
うん、ない。けど、はやくここから出たいかな。臭いがキツい
灰谷 蘭
あー、確かにそうだね。体調悪い時に此処に入るのは流石にキツいか
灰谷 竜胆
……ちょっと先に此処出ててもいい?ちょっとやばい、かも
灰谷 蘭
あらら、顔色ちょっとやばいね竜胆。うん、先に出てていいよ。とりあえず、三途に声掛けてから俺も出るから
灰谷 竜胆
ん、了解。ドアの近くに居とく…
そう言って、俺はスクラップ場所を出た。
ドアが閉まった後、「三途、戻るぞ!」という兄ちゃんの声と、「俺に命令すんな!…アイツは?」という三途の声が中から聞こえた。「竜胆はドアの向こうで待ってる」そんな言葉が聞こえたすぐ後、ドアが開いた。
灰谷 蘭
竜胆、おまたせ。行こうか
灰谷 竜胆
うん
そうして俺ら3人は地下から俺らが普段使う幹部の執務室へと向かった。
灰谷 蘭
灰谷蘭、戻りました〜
灰谷 竜胆
灰谷竜胆、戻りました
三途 春千夜
三途春千夜戻りましたー!
執務室に入り、戻ったことを伝える。
そのまま俺は自分のデスクへ。

だけど、いつの間にか気を張っていたのか、椅子に座った途端気が抜けて、今までで一番強い痛みが俺を襲った。その痛みに耐えられなくて、机に頭を伏せる。
急に頭を伏せた俺に異変を感じてこちらに来たのか、視界の端に兄のスーツが見えた。
灰谷 竜胆
っはぁ…いた、ぃっ…
灰谷 蘭
竜胆?どうした?
兄ちゃんがそう声を掛けてくる。
灰谷 竜胆
っなん、か…きゅ、に、頭痛、酷くなって…っは…
…あれ、息が苦しい。
灰谷 蘭
大丈夫?…呼吸、なんかおかしくない?
兄ちゃんが言った通り、呼吸がおかしい。
息するのって、こんなに難しかったっけ?
灰谷 竜胆
は、はぁっ…ひゅ…っひぅ、けほっ…
ちょっと、やばい。息が出来ないからか、頭が少しクラクラしてきた。
灰谷 蘭
ちょ、竜胆…?!
兄ちゃんの焦った声が少し遠くの方でする。あれ、兄ちゃんは俺の近くにいたはず…。自分の呼吸の音が煩い。
九井 一
おい竜胆、聞こえるか?九井だ。聞こえてたら一回俺の名前呼んでみろ。無理だったら手、握って。
…近くで、ココの声がした。左手に、誰かの手が当たっている感じがする。多分、ココの手。
灰谷 竜胆
っふ…はぁっ…こ、こ…?っぅ、は…
九井 一
そうだ。聞こえているみたいで良かった。お前、過呼吸になってるから息戻そう。そのままだと辛いだろ?
灰谷 竜胆
で、も…っひゅ…いき、できな…っは
九井 一
大丈夫だ。落ち着いて。とりあえず、移動したいから体起こせるか?
灰谷 竜胆
ん、わか、た…
俺は途切れ途切れで答え、ゆっくりと体を起こしていく。
九井 一
蘭。竜胆をソファまで運んでくれ。あ、寝かせないでな
灰谷 蘭
わかった
ココにそう言われて、兄ちゃんは俺を横抱きで持ち上げた。そのまま移動して、ソファに座らされる。
その後、すぐにココが隣に来た。
九井 一
竜胆、俺の方に体預けられるか?
灰谷 竜胆
ひぅ、っは…っう、ん…っふ…
ココに言われたとおり、体をココの方へ倒す。
耳元で、トクトクとココの落ち着いた心音が聞こえる。
九井 一
竜胆。今から口にタオル当てるな。苦しいと思うけど許してくれ
そう言われた後、口に少し分厚い布が当てられた。多分タオルだろう。
灰谷 竜胆
?!っは、はぁ…っかひゅ、けほっ…っ
タオルをあれられた瞬間、何故か余計に息がしにくくなって、胸が痛くなって、胸元のワイシャツをギュッと握る。
九井 一
竜胆、大丈夫だ。俺の心音に合わせて、ゆっくり息吐いてみな
ココに言われたとおり、ココの心音に合わせてゆっくりと息を吐く。
灰谷 竜胆
っはぁ…、はー…
九井 一
そうそう。上手くできてるから、そのまま続けて
そう言われて、短く吸って長く吐くことを繰り返す。
そうすること数分…
灰谷 竜胆
はー……ごめん、ココ…
呼吸が楽になり、ココに謝る。
九井 一
謝るな。呼吸が戻って良かった
ココがそう言ってくれる。
灰谷 竜胆
あー…ありがとう、ココ
九井 一
おう。…竜胆、今日はもう帰りな
…急に言われた「帰りな」という言葉。
灰谷 竜胆
…え?
という意味がわからないというような声が出た。
九井 一
お前は気づいてないかもしれないが、熱あるぞ
灰谷 竜胆
あ、まじで…?
九井 一
おう、まじで。お前の残りの仕事、期限はまだ先だろ?もし期限が近くても俺らがやっとくから。蘭と一緒に帰りな
灰谷 竜胆
…そこまで言うなら、そうする。…なんか、本当にごめん
九井 一
いや、流石に体調悪い奴に無理はさせたくねぇし。それに、竜胆は最近忙しかっただろ?だからその休み分でもあるし。明日も1日休んでいいって、ボスが言ってた
また謝った俺に、ココがそう言ってくれた。
ボスが言ってたのか…
灰谷 竜胆
これは、ボスにお礼言わないとだな…
そう呟いた俺は、ボスのためにたい焼きを買ってこようと思った。
灰谷 蘭
…竜胆、もう大丈夫か?
と、急にココと反対の方向から兄ちゃんの声がした。
灰谷 竜胆
あ、兄ちゃん…うん、過呼吸はおさまったし
九井 一
蘭、竜胆連れて今日はもう上がれ。こいつ熱出してるから。お前が側にいる方が安心するだろうからってボスが。それと、お前も明日は休みだと。これも同じ理由。竜胆の側に居てやれよ
灰谷 蘭
あ、本当?了解。休み明けたらボスにお礼言わないとね
九井 一
そういうことだから。気をつけて帰れよ
灰谷 竜胆
うん。ありがとうココ
灰谷 蘭
じゃあ、また明後日に
九井 一
おう
そんな会話をして、俺らは事務所を出て家へと向かった
灰谷 蘭
ただいま〜
灰谷 竜胆
ただいまぁ
家に着いて、玄関の鍵を閉める。
灰谷 蘭
竜胆、着替えてベッド入りな。過呼吸なったし、疲れただろ
灰谷 竜胆
んー、そうする。…兄ちゃんは?
灰谷 蘭
俺はお粥作る。竜胆、寝てていいよ。お粥出来たら起こしてあげる
灰谷 竜胆
…ん、わかった…
短く会話をして、俺は寝室へ、兄ちゃんはキッチンへと向かった。

寝室に着いた俺は、のろのろとスーツを脱いで寝巻きに着替える。着替え終わったら、そのままベッドに寝転び、布団を被る。
灰谷 竜胆
(…ちょっと寒いな…)
そう思った俺は、布団の中で丸くなり目を閉じた。
…ど…い、りん…りんどー…
灰谷 竜胆
ん…んん…にい、ちゃん?
灰谷 蘭
あ、起きた。お粥、出来たよ。……寒い?
灰谷 竜胆
んー、ちょっと…?
灰谷 蘭
そっか。起きれる?
灰谷 竜胆
うん、おきれる…
布団を肩に掛けながら体を起こす。
ただ、何かに凭れていないとグラグラするから、ベッドヘッドに凭れる。
それを見届けた兄ちゃんは、俺の額に手を当てた。
灰谷 蘭
んー…ちょっと熱上がった…?
兄ちゃんが手を当てながら、そう言う。
灰谷 竜胆
んー…さっきよりちょっと、しんどいかも…?
灰谷 蘭
あらら…お粥食べれそう?
灰谷 竜胆
ん、食べれるとおもう
灰谷 蘭
良かった
そんな言葉を交わした後、兄ちゃんはベッドボード近くのベッドの上に座った。
灰谷 蘭
よいしょ……ほら、食べさせてあげるから口開けて
兄ちゃんがそう言う。
灰谷 竜胆
え、いや、自分で食べれるよ
灰谷 蘭
いーから。今日は黙って甘やかされてな
灰谷 竜胆
うー……わかった…
俺は渋々答える。
灰谷 蘭
ほら竜胆、あーん
灰谷 竜胆
…ぁー
                                     パクッ
灰谷 蘭
どう?
灰谷 竜胆
ん、おいしい
灰谷 蘭
ふふ、良かった
それから半分くらい食べたところでストップして、薬を飲んで寝転んだ。
灰谷 蘭
じゃあちょっとこれ置きにいってくる
そう言って兄ちゃんは扉の方へ向かう。
灰谷 竜胆
うん
……兄ちゃん
扉の前まであともう少しというところで、兄ちゃんの名前を呼ぶ。
灰谷 蘭
ん?どうした?
兄ちゃんが振り返る。
灰谷 竜胆
…ありがとう、その、色々と
俺は少し目を逸らしながら言う。
灰谷 蘭
…っはは。うん、ゆっくり休みな
笑いながらそう言って、こちらに戻ってきて、優しく頭を撫でてくれた。
灰谷 蘭
おやすみ、竜胆
灰谷 竜胆
…うん、おやすみ、兄ちゃん
優しい声と暖かい手に包まれ、俺は瞼をゆっくりと落とした。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!次はリクエストが来たので、リクエスト作品の予定です!

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