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第1話

紡いだ手
2,387
2024/06/20 08:08 更新



夏の匂いがそっと鼻腔を擽れば、ふわりと明るくなる瞼の外側。太陽の日差しに照らされた僕を、そっと包み込むような暖かさが体の温度をカッと上げていく感覚




そんな夏にピッタリな笑顔で、僕を見詰める君




空にある太陽よりも明るくて元気で、高い声で僕の不安を取り除いてしまう。君の横にいるだけで香る爽やかな香りも、日に焼けて少し黒くなった肌も、優しく僕の瞳を捉えるその瞳も。





たくさんありがとうを言いたかった




僕を助けてくれてありがとう




暗闇のそこから引っ張り出してくれてありがとう




あの時手を繋いで離さないでいてくれてありがとう




好きだと言って涙を流してくれてありがとう




眠れない夜を、二度と迎えないように隣にいてくれてありがとう、と。







ねえヘチャナ、僕はまだ弱虫でこの広くて綺麗な地球の中でちっぽけな人間だけどね、どうしても隣で笑ってる顔を見ていたくなるんだ。






大きな声で笑って、泣いて、歌って、誰かをまた笑顔にして。
きっと、誰かを泣かせてしまう時もあると思うんだ
それでもまた初めからやり直そう。また大きな声で笑ってみよう。きっとヘチャナの笑いにつられてさ、みんなも笑い出してくれると思うんだ、僕は。





あの時引っ張り出してくれた暗闇の底から、僕も這い上がってみせるから




今度は僕がヘチャナの太陽になってみせるから





その繋いだ手をいつまでも離さないでいて欲しいんだ








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