そんなことを考えながら、話は進み、佐伯教授が天城先生を新病院に推挙したという事実が流れた。
問われた彼はニヤリと笑った。
金にがめつい、最凶の悪魔だ。
天城先生は話をまくしたてる。
予算縮小が進み、優秀な医師は海外に行き、
……日本の医療は死んだと。
周囲から文句が飛び交うが、私だってその気分だ。
けれど天城先生と過ごしている時間があるので、少し納得もできてしまう。
あくまで、紳士的に振る舞う彼の本心は、黒か白か。
軽々と言ってのけ、人の神経を逆撫でするのは
むしろ1種の才能なのかもしれない。
重苦しい空気を割ったのは、佐伯教授だった。
私はぐっと拳を握る。
悪魔が出した条件は。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。