任務と鍛錬の間に蝶屋敷にいる禰豆子と遊んでいると、珠羽が飛んできて、肩に止まった。
そう言ってその場を後にして風柱邸に向けて足を動かし始める。
ゆっくりと。
最近というには起点がはっきりしすぎているが、最近。
禰豆子ちゃんが日の光を克服してからなのか、上弦の月が半分欠けたからか。
鬼の出没はめっきり減った。
人が不自然に消えたところへ行っても、そこには鬼の痕跡こそあれど誰もいない。
ルカさん曰く、「空間系の血鬼術か」だ。
だからいくら見回れど、鬼の姿を見つけることは叶わず刀を振ることもなかった。
そして、夜が明けた。
心底楽しそうに笑った宇髄さんの後ろで、太陽が燦々と輝いている。
最近は鬼化の薬の服用を減らしているので、そこまで不快に思うことはない。
その合図を聞いて反射的に走り始める。
十五周満足に走れるくらいの速さの、少し上で走る。
前よりはずっと、饒舌になってる気がする。
普通に答えてくれたし、口数も増えたし、自分から話し始めた。
正直、炭治郎関連以外で話しかけられるとは思ってなかった。
五周くらいかけて周回遅れを出したら、どやされた。
割と早めのペースで進んでた気がする。
すでにヘロヘロになっている先輩方の尻を文字通り叩きながらの声が、遠くからする。
一瞬三人で顔を見合わせ、ため息をついてからペースを二段階くらい上げた。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。