第19話

35
323
2026/02/12 11:00 更新
キッチンから、いつも通り軽快な音が響いていた。
和也
今日の晩ごはん、何にしよっかなー
和也
みんなお腹すいてるやろ?
丈一郎
早めに頼むでー
丈一郎
腹ペコや
和也
はーい
包丁を持ち、慣れた手つきで野菜を切っていく。
和也
……あっ
次の瞬間。
和也
いった!
指から、ぽたっと赤い雫が落ちた。
丈一郎
え!?
丈一郎
和也!?
和也
ちょ、ちょっと切った……
慌てて駆け寄る丈一郎。
丈一郎
深いやん!水で流して!
和也
だ、大丈夫やって……
丈一郎
大丈夫ちゃう!
恭平も駿佑も謙杜も、顔色を変える。
恭平
和にぃ、座っとき!
恭平
俺らで作るから!
和也
え、でも……
駿佑
怪我してんねんから!
駿佑
にぃには指示して!
和也
そ、そうやな……
和也はイスに座り、手当てをしてもらいながらキッチンを見守ることになった。
丈一郎
よし、俺がメインやる!
丈一郎
恭平はサラダ!
丈一郎
駿佑と謙杜、ご飯とスープ頼む!
恭平
了解!
駿佑
まかせて!
謙杜
がんばる!
……が。



数分後。
駿佑
え、これ火強すぎん!?
謙杜
わぁ!吹きこぼれてる!
恭平
ぎゃー!ドレッシング入れすぎた!
丈一郎
ちょ、フライパン焦げてる!
一気にキッチンが戦場と化す。

離れたところで、それを見ていた大吾と流星。
大吾
……にぃに、たいへんやな
流星
だぁ?
大吾
ほら、あっち見て
バタバタ走り回る兄たちを見て、流星はきょとん。
流星
だぁ……
その様子を見て、和也が思わず声を出す。
和也
丈にぃ、火弱めて!
和也
恭平、ドレッシングは半分でいい!
和也
駿佑、吹きこぼれる前に蓋ずらして!
和也
謙杜、スープかき混ぜて!
一気に飛ぶ的確な指示。
丈一郎
了解!
恭平
はい!
駿佑
わかった!
謙杜
うん!
和也の声が入った途端、キッチンが少しずつ落ち着いていく。
丈一郎
さすが和也……
大吾
にぃに、すご……
流星
だぁ!
しばらくして。
謙杜
……できた!
テーブルに並んだ、少し不格好だけど、ちゃんとした晩ごはん。
駿佑
おぉ……!
恭平
やればできるやん!
丈一郎
和也、どう?
和也
……うん
和也
みんな、ありがとう
少し照れたように笑う。

その横で、大吾は流星を抱っこしながら、嬉しそうに眺めていた。
大吾
流星、にぃにたちがんばったな
流星
だぁ!
ぱちぱちと、真似するみたいに小さく手を叩く。
駿佑
……可愛すぎやろ
謙杜
癒し担当おるの助かるわ
ドタバタだったけど、
なんだか一番あったかい晩ごはんになった気がした。



雑ですみません‼︎

プリ小説オーディオドラマ