第11話

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2025/12/30 10:00 更新
投稿遅くなってすみません…


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駿佑
だからそれ違うって言ってるやん!
謙杜
違わへん!駿佑が勝手に決めてるだけやん!
リビングに、二人の声がぶつかる。
床に広げたおもちゃの間で、駿佑は拳を握り、謙杜は睨み返していた。
駿佑
いつもそうや!オレの話聞かん!
謙杜
聞いてるやん!でも納得できへんだけ!
駿佑
屁理屈!
謙杜
なんでそんな言い方すんの!
次の瞬間、駿佑の手が伸び、謙杜の腕に当たった。
謙杜
……っ
大きな音はしなかった。
けれど、謙杜の表情が一気に曇る。
謙杜
もうええ……
謙杜はおもちゃを置き、その場を離れようとした。
駿佑
待てや!
謙杜
触らんといて
その一言に、駿佑の足が止まる。
駿佑
……
謙杜はそのまま部屋の隅に座り込み、膝を抱えた。
駿佑は立ったまま、どうしていいか分からず、唇を噛む。
恭平
……なにしてんの
少し離れたところで見ていた恭平が、低い声で言う。
駿佑
喧嘩
恭平
見りゃ分かる
恭平
でも、今日は長いな
その言葉通り、いつもならすぐにまた言い返すはずの謙杜が、黙り込んでいた。
謙杜
……
駿佑
謙杜
呼んでも、返事はない。
丈一郎
どしたんや
大吾
にぃにがけんかしてる〜
丈一郎
また?
和也
……ちょっと重そう
和也は二人の間に入り、しゃがんだ。
和也
謙杜
謙杜
……
和也
ここ痛い?
謙杜
痛くない
和也
そっか
否定は早かったが、声は弱い。
和也
駿佑
駿佑
……
和也
手、出したん?
駿佑
……ちょっと
和也
ちょっとでもあかん
責める声ではなかった。
淡々としていて、だからこそ重い。
和也
でもな
和也
それより、謙杜がなんで黙ったかや
駿佑はぎゅっと目を閉じた。
和也
……オレが嫌いになったと思ったんやろ
謙杜の肩が、ぴくっと動く。
謙杜
……
和也
当たってるな
和也
駿佑は?
駿佑
……そんなわけない
駿佑
双子やのに
駿佑
離れるとか、考えたことない
その言葉に、謙杜がゆっくり顔を上げた。
謙杜
……ほんまに?
駿佑
ほんま
駿佑
ムカついても
駿佑
腹立っても
駿佑
一緒や
少し間を置いて、駿佑が頭を下げる。
駿佑
ごめん
駿佑
手出して
謙杜はしばらく黙っていたが、やがて小さく口を開いた。
謙杜
……オレも
謙杜
言い方きつかった
謙杜
一人になるん怖かった
和也は二人を見て、そっと笑った。
和也
戻ってこれたら、それでええ
和也
ほら
和也の合図で、駿佑が一歩近づく。
駿佑
……
謙杜
……
次の瞬間、二人は同時に抱きついた。
駿佑
離れへん
謙杜
……うん
その様子を見て、丈一郎が肩の力を抜く。
丈一郎
やっぱ双子やな
和也
うん
大吾
なかなおり?
駿佑
なかなおり
謙杜
なかなおり
流星
だぁー
流星の声に、空気がやっと柔らぐ。

その夜、双子はいつもより近くで眠った。
ほどけかけた手を、確かめるように繋いだまま。

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