第12話

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2026/01/02 12:00 更新
朝のリビングは、いつも通り少し騒がしい。
テーブルでは丈一郎と和也が並んで家事をしていて、床では大吾と恭平が積み木を広げていた。
大吾
ここ高くしよ!
恭平
倒れるで
大吾
だいじょーぶ!
その少し離れたところで、流星がソファにつかまり立ちをしていた。
流星
だぁー
恭平
流星、立ってるやん
丈一郎
また上手になってるなぁ
和也が手を止めて、流星を見る。
和也
昨日より安定してる
流星
だぁ
流星は誇らしそうに声を出し、手を離したり掴んだりを繰り返す。
丈一郎
転ぶでー
流星
だぁ!
そのとき、流星の視線が大吾に向いた。
大吾
あ、流星こっち見てる
流星
だぁー
大吾は自然としゃがみ、両手を広げる。
大吾
おいで
流星
だぁ……
流星は一瞬止まり、足を見下ろした。
流星
……
流星は一瞬止まり、足を見下ろした。
恭平
……行く気や
和也
見守ろ
流星はゆっくり、右足を前に出した。
流星はゆっくり、右足を前に出した。
流星
……
丈一郎
おっ
小さく身体が揺れる。
流星
……!
ぽて、と一歩。
恭平
歩いた
大吾
流星!
流星はバランスを取りながら、もう一歩踏み出す。
流星
だぁー!
三歩目で、よろけて前に倒れそうになる。
丈一郎
あっ
でもその前に、大吾の腕が流星を受け止めた。
大吾
つかまえた!
流星
だぁ!
大吾はぎゅっと抱きしめる。
丈一郎
歩いたな
和也
はじめてやな
恭平
すごいやん
流星は大吾の腕の中で、満足そうに声を出す。
流星
だぁー
流星は大吾の腕の中で、満足そうに声を出す。
駿佑
なにー?
謙杜
どしたん?
恭平
流星が歩いた
駿佑
え!?
謙杜
ほんま!?
二人が駆け寄ると、流星はまた床に下ろされた。
駿佑
流星、もっかい
流星
だぁ
今度は、みんなのほうを見る。
流星
……
一歩。
流星
……
二歩。
流星
……
丈一郎
おぉ
三歩目で、流星は転んだ。
流星
……
一瞬静まり返る。
流星
だぁー
でも泣かなかった。
謙杜
泣いてない
和也
強いな
丈一郎が流星を抱き上げる。
丈一郎
よう頑張ったな
流星
だぁ
その小さな一歩に、誰も大げさなことは言わなかった。
けれど全員が、確かに覚えていた。

この日、藤原家の末っ子は、
はじめて自分の足で、家族のもとへ歩いた。
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