第11話

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1,950
2020/03/25 16:35
あなた

ただいま
無一郎?

いつもなら『おかえり』って言ってくれるのに

今日はしーんとしている
あなた

靴はあるし…

出かけているわけではなさそうだ

稽古でもしているのだろうか
あなた

どこだろう…あっ

庭の方へ出てみると

陽の光を浴びながら

気持ち良さそうに眠る無一郎がいた
あなた

ただいま、無一郎

こうして寝顔を見ていると

普通の子供に見える

とても柱とは思えない その寝顔
あなた

置いていってごめんね…

そう言って無一郎の頭を優しく撫でた

何だろう…

凄く愛おしくてたまらなくなる
あなた

無一郎の髪は綺麗だね

私と変わらないくらいの髪の長さ

無一郎はこの髪型が良く似合う

無一郎
無一郎
んっ…
あなた

あ…起こしちゃった…?

と思ったけれど

どうやらまだ夢の中のようだ

彼は柱だけど

身体はまだ14歳の小さな少年

一体この小さな背中に

どれ程の責任が伴っているのだろう
あなた

いつも護られてばかりでごめんね
私も強くなるから…

少しでも無一郎への負担を軽くしてあげたい

その為には今のままで満足してはいけない

無一郎を支えてあげたいんだ
無一郎
無一郎
ん…あなた…
一体どんな夢見てるんだろう…

夢の中でも私と会ってくれているの?
無一郎
無一郎
あなた…好きだよ…
あなた

…今のはずるいよ//

当分顔の熱は引かないようだ
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