輸送機の中
全くの緊張感も無く、レオレはそう言い放つ。
呆れたように、彩乃が反応する。
その時、輸送機のハッチが開く。
遥か下方には、地上を埋め尽くさんばかりのマジェドが蠢いていた。
凛の合図と共に、ゼロの隊員専用の黒い軍服を着た少年少女達は輸送機から飛び降りる。
突如大きな竜巻が4つ出現し、付近にいたマジェドを切り刻み、巻き上げる。
憑の思わずといった風な声に、隊員達は苦笑する。
地に足がついた瞬間、彩乃が雷のごとく速さでマジェドを切り刻んでいく。
雫が右手を手刀の形にして腕を横に降った瞬間、その先にいたマジェド全員、同じ所が裂けた。
そう言いながら、藍はマジェドの攻撃を全て避けながらどんどん手で触れていく。
すると不思議な事に、マジェドが隊員に攻撃しようとした瞬間、別のマジェドがそのマジェドに攻撃をしてしまうという、摩訶不思議な自体が起こる。
その時、真上から翼竜型のマジェドが藍目掛けて突っ込んできた。
しかし何かがメジェドのこめかみを貫き、マジェドはガクンと力が抜けたように降下し、藍とは全く関係の無い場所に落下する。
同時刻
マジェドの大群から1km離れた場所、白夜はそこで降ろされていた。
白夜が藍に、無線で話しかける。
白夜はちらりと隣を見る。
そこでは、梨々音が自身の異能力『天下無双・機械』で創り出した機械⋯⋯大砲が3台、その他にもレバーやボタンが3つずつあるということだけ分かる、謎の物体を操作していた。
その瞬間、3つの大砲全てから火弾が絶え間なく発射されて一度も隊員には当たること無くメジェドを爆撃する。
その火の雨の下、レオレはマジェド複数へ向けて話しかける。
マジェドからの返答は、当然ない。
レオレはその後、マジェドの攻撃を避ける、避ける、避け続ける。
そして30秒が経った時、マジェドが全員潰れて死んだ。
ゼロの隊員たちは、10分ほどでマジェドをあらかた殲滅してしまった。
しかし、梨々音の放った火弾のせいで辺りは火炎地獄のような様相となっていた。
輸送機が数機がかりで辺りに水をばら撒き、與那が異能力を発動すると、炎とまだ残っていたマジェドが凍っていき、最後には辺りは1面雪景色ならぬ氷景色となっていた。
森林の中、辺りにはマジェド一体しかいなく、そのマジェドに憑が話しかける。
そのメジェドは沼田侵攻をしていたマジェド達の司令官の個体であり、1番強い個体でもあった。
その姿は二本足で立ち頭部が非常に大きく、他のマジェドとは違い少しの知能が感じられる⋯⋯一見すると人間のようだが、しかしそれ程知能は高くなく、肌も人間ではありえないような真っ白さ⋯⋯腕や手、いや全身が驚くほどに細長い、人間のようだが全く人間のようには見えない。
国際連合はこのこ個体をフェイラーと名付けた。
マジェドはしばらく様子見していたが、我慢しきれなくなったのか、その長い手で攻撃を仕掛ける。
しかしその腕が憑に届こうとした瞬間、その腕が切断された。
憑は一瞬でマジェドの視界から消え、背後に回り込む。
そして武器の脇差で背中を突き、グリグリと捻りながら引き抜く。
脇差が抜かれると、そこにはポッカリとした穴が空いていた。
爆発。
穴から光が漏れ、次の瞬間にはマジェドは木っ端微塵になっていた。
憑が現実世界に戻ると、目の前には先程のマジェドが何もせず、ただ地の一点を見つめるのみで、その様相はさながら廃人の様だった。
このメジェドは後に自衛隊に捕獲され、研究対象となった。
すると、遠くからヘリの音が聞こえ、すぐに音は大きくなって真上まで来た。
ヘリからは、先に回収された白夜が手を振っていた。
全員が乗り込み、ヘリはゼロの兵舎へ方向を変える。























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。