第17話

拾漆ノ舞 マスコミならぬマスゴミ
2,727
2022/12/21 08:17
〜しのぶside〜
食堂に着くと、人が賑わっていていた。
私は空いている席を探し、場所取りをして食べ物を取りに行った。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
(何食べよっかな…)
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
(あ、生姜の佃煮)
私は好物である生姜の佃煮を見つけ、他には白ご飯や味噌汁などの和食を持って席に戻る。
轟焦凍
轟焦凍
胡蝶
いただきます。と言おうとしたところ、轟さんに話し掛けられた。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
はい、何でしょうか?
轟さんは何故か目を細め、真剣な顔で私を見てくる。意味が分からない。何なんですかこの人は。あ、冨岡さんみたいな人だった。
轟焦凍
轟焦凍
向かいの席、いいか?
私は、思ったより普通のことを聞かれて吃驚しながらも、
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
えぇ、構いませんよ。
と答えた。

とは言っても、轟さんはあまり人と話すタイプではないので、何を話したらいいのか分からない。
ずっと前で蕎麦をすすっている。
轟焦凍
轟焦凍
胡蝶
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
はい?
蕎麦を完食したのか、轟さんは口を開いた。
轟焦凍
轟焦凍
何個か聞きてぇことがあるんだが、
聞きたいこと。これはまぁ、答えられる範囲なら答えるか。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
答えられる範囲なら、なんでも
轟焦凍
轟焦凍
そうか。
轟焦凍
轟焦凍
それなら早速だが、
轟焦凍
轟焦凍
お前、何か隠してねぇか?
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
…え?
初っ端からなんちゅー質問しとんだ。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
あの、もっと具体的に言ってくれないと分かりませんよ?
隠してること。それは轟さんが私の言動を見て、どの辺で何を隠していると思ったのか。適当に答えると後でボロが出そうなので、質問の内容はなるべく詳しく聞くことにした。
轟焦凍
轟焦凍
胡蝶は、偶に何か懐かしいものを見るような目をしてる気がすんだ。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
………
轟焦凍
轟焦凍
なんつーか、園児のころに遊んでいた場所やおもちゃを見て懐かしくなるとかじゃねぇんだ。
あー…確定で前世関連だ…。こんなの話して信じる人がいるわけない。話せば今のご時世、完全に頭おかしい人認定させる。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
…轟さんの気のせ
『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは、速やかに屋外に避難してください』
轟焦凍
轟焦凍
なんだ?
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
セキュリティ3…
「轟さんの気のせいですよ。」私はそう言おうとしたけれど、いきなりセキュリティ3が突破されたという情報で周りがざわつき、一瞬で混乱状態になってしまった。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
ちょっと…!
私は人混みに呑まれ、されるがままだ。
轟焦凍
轟焦凍
胡蝶!
轟さんが私の腕を掴み、少し空いた隅っこへと避難する。
轟焦凍
轟焦凍
大丈夫か?
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
はい、ありがとうございます
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
………
轟焦凍
轟焦凍
私は今、轟さんに言わゆる壁ドンをされていた。
…ファンに殺されそう。
轟焦凍
轟焦凍
どうした?
あ、この人分かってないな。いやまぁ、でしょうねとしか言いようがない。だって轟さん、ドが付くほどの天然だし。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
轟さん、原因は朝のマスコミっぽいですよ。
轟焦凍
轟焦凍
校門前で待機してたのか
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
でもどうして侵入出来たんでしょう…
轟焦凍
轟焦凍
ヴィラン…か
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
まぁそれ以外浮かばないですね…
雄英高校のセキュリティ、別の言い方で雄英バリアは、物凄く頑丈なはず。マスコミごときが、セキュリティを突破して侵入出来るものではない。そうなれば、ヴィランが関係しているとしか思えなかった。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
…?
遠くで飯田さんの声がして、どうやら皆を落ち着かせて、まとめているようだ。やっぱり、彼が委員長でもいいと思うんですけどね…
そして、飯田さんのおかげで皆の混乱はなくなり、何とか事無きを得た。




──────────
終礼
〜‪‪‪✕‬side〜
「ほら委員長始めて」と言われた緑谷は少し慌てながら席を立つ。
緑谷出久
緑谷出久
で、では他の委員決めをとりおこなってまいります!
緑谷出久
緑谷出久
…けどその前にいいですか?
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
(出久くん、緊張してますね。頑張れ〜)
緑谷のこれから言おうとしてる内容が、今日のマスコミ騒動で大抵察していたしのぶは心の中で緑谷にエールを送る。
緑谷出久
緑谷出久
委員長はやっぱり飯田天哉くんがいいと思います。
緑谷出久
緑谷出久
あんな風にかっこよく人をまとめられるんだ。
緑谷出久
緑谷出久
僕は飯田くんがやるのが正しいと思うよ。
緑谷の意見は賛成され、相澤にも許可を得て、1年A組の委員長は飯田になった。









୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

プリ小説オーディオドラマ