小説更新時間: 2024/04/03 04:53

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黒百合さん、今日も元気に殺し屋やってます

黒百合さん、今日も元気に殺し屋やってます
  • ホラー
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満月の夜。
とある街角に、揺らめく5つの影があった。
紫の髪を一つ結びにした少女が、何の感情も読み取れない平坦な声を発する。

「…あ、来たみたい」
「す、すみませんっ遅れましたかねっ!」
「いいえ~?時間ぴったりよ」

焦ったように、茶色の髪をおろした少女が駆け寄ってくる。
それを見て、水色の髪を持った少女が答えた。

「おや、全員そろったようだね」

少女達の後ろ──路地裏から出てきた紫髪に水色メッシュの少年が言った。
突然出てきたにも関わらず、少女達に驚くような様子は無い。
続いて、フードを被った少年が出てくる。

「んじゃ、始めんぞ」

その一言で、空気がピリついた。
──仕事を始める。
茶髪の少女がパソコンを取り出し、何かのプログラムを打ち込んでいく。
残りの4人もすぐに武器を取り出した。
ナイフ。銃。仕込み傘。スタンガン。閃光弾。
まるでここが漫画の中であるかのように、普通に生きていればお目にかかることの無い武器が出てくる。

「準備、完了しました」

プログラムを打ち込み終わった少女は、そう告げた。
その瞳に、先程までのような柔らかさは無かった。

「そうか」

何処からともなく吹いてきた風に、少年のフードが脱げた。
中から鮮やかなオレンジの髪が出てくる。
表情を動かすことなく、少年は淡々と言葉を告げる。

「持ち場につけ」

4人はその場を離れ、それぞれの方向に走る。
少年の耳に付けられた、『黒百合』のピアスが揺れた。

「ーぃーっーーぁ?」

聞こえてきた声に、脳内の音声を照らし合わせる。
──そう、5人は殺し屋。
ターゲットであることを確認した少年は、話しかけるために足を踏み出した。

◇◆◇

「あ、これ入ります?とっても良く効くお薬ですよ」

「うふふ~本当に……貴方ってバカなのね~」

「化け物って、酷いなぁ。僕はただの殺し屋だよ?」

「ふーん。で?遺言はそれで良い?」



「オレは……お前達が幸せならそれで良い」

チャプター

全14話
15,173文字
夕闇 秋🍁

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