第27話

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2025/12/27 08:00 更新
視察とは言っていたものの

スワロウテイルは特に気にしなくても大丈夫かなとのことで

現在夜愛は誠一が庭を手入れしているところをじーっと眺めている
有月夜愛
(慣れてるなぁ…
あ、そういや元フローリストだったっけ)
踏分誠一
(なんや猫みたいな姉ちゃんやな…)
踏分誠一
花好きなんか?
有月夜愛
昔翠さんと一緒に育ててた
私はあまり好きではないかな、嫌いでもないけど
夜愛は翠と関係があるらしい…これもまたいつかお楽しみに…
踏分誠一
そうなんや…
綺麗やと思うけどな
有月夜愛
いや、綺麗なのは事実なんだけど
個人的にちょっと物足りないというか
踏分誠一
まぁそういう人もおるよな
有月夜愛
どうせなら毒草とかの方がいいというか
踏分誠一
物騒やな!?
有月夜愛
冗談冗談♪
踏分誠一
(冗談のトーンやったか…?)
踏分誠一
手空いとるんやったらやってみるか?
あ、すまん仕事中やったな
有月夜愛
やるー
というかやりたい
踏分誠一
おお!マジか
せやったらこれお願いできるか?
有月夜愛
了解!
夜愛も一応経験者ではある為、植物の手入れは得意分野の一つである

慣れた手つきで余分な葉や茎を取り除き

日光の当たる角度を考えながら配置を少しずつずらし

全体に水をやる
踏分誠一
うまいなぁ!
恵美にもこんなふうに手伝ってほしいわ…
有月夜愛
恵美くんがこんなことやったら世界が滅びてしまう
踏分誠一
確かにそやな…
記憶の天才である彼は

誠一の手入れを見た記憶があるため作業は可能ではあるだろうが

彼は非常に面倒くさがり屋である
踏分誠一
ありがとうな
おかげで早く片付いたわ
有月夜愛
いえいえ、お気になさらずー
踏分誠一
お礼になんか作ろか?
有月夜愛
いや、大丈
踏分誠一
姉ちゃん、あんま食べてへんやろ?
顔色悪いで?
恵美まどかのお世話を長年してきた踏分誠一

誰かに対して世話を焼くことは彼にとっては朝飯前である

それどころかもはや日常の一環にまでなっている
有月夜愛
う‘’っ
有月夜愛
お願いします…
踏分誠一
おう!
有月夜愛
!美味しい…
踏分誠一
口にあったようでよかったわ
職務中なのに事務所に上がり込んでご飯を食べてていいのだろうか…

というとんでもない罪悪感が夜愛の中にあったのだが

誠一の笑顔を見て

断るのは不可能であると悟った
恵美まどか
君…何しに来たの
有月夜愛
そこ突っ込まないで
恵美まどか
視察で来たとか言ってたよね?
有月夜愛
気にしない気にしない
恵美まどか
えぇ…
踏分誠一
恵美の分も作ったからはよ食え
恵美まどか
えーめんどくさい
誠一が食べさせてよ
踏分誠一
お客さんの前で堂々とできるか!?
恵美まどか
ちぇー
あれ、そういえば健三は?
有月夜愛
さっき紅茶に合うお菓子買いに行くーとかで出掛けってったよ
留守番お願いしますねって
恵美まどか
ふーん、よく見てるんだね
どこぞの生意気な後輩とそっくりだ
有月夜愛
ふふ
踏分誠一
なんの話や?
有月夜愛
なんでもなーい
恵美まどか
うん、なんでもない


相性が良いのか悪いのか、よくわからない二人であった

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