あなたとめめは兄弟関係。
めめは3つ上のお兄ちゃん。
めめ:18歳
あなた:15歳
目黒side
うわぁ…疲れたぁ…!
この前のテストでやばい点とったから補習入ったし、それに重なってまだ出せていなかった進路調査表出すまで帰さないって担任に言われたから、家着いたのはいつもより2時間くらい遅かった。
あなたもうさすがに家着いてるよな。
あなたってのは俺の3つ下の妹で、今年で中3になった。
鍵を開けて家に入るけど、部屋の電気は1箇所もついてないし、返事1つすらない。
え、まさかだけどあなた家にいない…?
でももう夜9時だぞ?
あなたはこんな夜に出歩いたりするような子じゃないと思うんだけど。
部屋かなぁ…?
パチッ。
リビングの電気をつける。
真っ暗な部屋の中で、あなたがソファーへ寝転んでいた。
それも寝ているわけではない。
目は開いてるけど、いかにも体が疲れて倒れ込んだって感じ。
まさかあなた、女の子の日…?
それか普通にお腹痛いだけ…?
どっちか分かんないけど、どっちにしろ体あっためた方が良いな。
言っちゃいけないかもだけど、正直今のあなためっちゃ可愛い。
弱ってることが可愛いすぎる。
まぁ俺の妹なんだけどな笑
リビングの端に荷物を置いて、手を洗ってからりんごを冷蔵庫から出す。
どーしよ。
切り方うさぎにしよっかな。あなた喜んでくれそう。
でもうさぎのやつやりたいけどやり方分かんねぇ。
スマホで調べて、何とかやり方を理解した。
さて、これを無事にできるかどうかなんだよなぁ…。
包丁を持って、1つのりんごと向き合った。
ねぇみんな聞いて!
俺手を切ることも、失敗することもなくうさぎにできたの!
こりゃ絶対怪我するなって思ったけど、ちゃんと耳できた!
自分で言うのもあれだけどさ、初めてにしては結構上手いと思う。
よし、準備もできたしあなたに食べてもらおー。
ソファーに目を向けると、ブランケットやらクッションやらに埋もれて寝るあなたの姿が。
そりゃ1日疲れてるよなぁ。
お腹痛いのにきっと頑張って授業受けて来たんだろーな。
あなたの横に腰かけて、そっと頭を撫でる。
突如顔をしかめてうずくまったあなた。
体調悪いせいか分からないけど、目すごいうるうるしててその目で見られたら無理なんて言えない。
第一本当はあなた置いて片付けなんか行きたくないよ。
またあなたの隣に座り直した。
そういえばまだ俺とあなたが幼稚園生の頃は同じ部屋で、しかも同じベッドで寝てたなぁ。
部屋にベッドはちゃんと2つあるのに、あなたが1人じゃ寝れないって言って俺のベッド入ってくるの笑
あなた成長はしたけど、良い意味で中身まだまだ子供だ。
しばらく背中をぽんぽんと優しくたたいていると、1分くらいで眠ったあなた。
俺はあなたにブランケットをかけ直して、残っているりんごを頬張った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。