それから、ほんの少し
学校に行くことが増えた
教室には入らず
保健室に篭ってばかりだが
そんな時は、類や寧々が
休み時間、たまに顔を覗かせてくれた
そんな優しい言葉をかけてくれる2人に
私は黙って目を逸らす
そんな時だった
保健室の扉が開き
東雲先輩が顔を覗かせる
そう軽い会話をしてすぐ
東雲先輩は扉を閉めようとしたが
突然止まり、私に言った
東雲先輩はそれだけ言って扉を閉める
私を探している人
3人、と聞いた時点で大体分かる
きっと、凛達だ
なんでわざわざ私を探してるのかも知らない
合わせる顔なんてないのに
私のことなんて、放っておけば良いのに
..:*♡o。 ..:*♡o。 ..:*♡o。 ..:*♡o。
休み時間、屋上の扉から顔を覗かせたのは
東雲先輩だった
どうして分かったんだろう
どうしていつも、この人は
私を見透かしてしまうんだろうか
ドスッと私の横に座り
東雲先輩はいつもの声で言った
そして私も
いつの間に、本音を零すほど
先輩に心を許してしまったのだろう
柔らかく笑う東雲先輩に
思わず心臓が高鳴り、顔を逸らす
そんなことを言われても
合わせる顔がないんだ
私はあいつらを突き放したから
…突き放しても
無理矢理近づいてくるヤツはいたけど
東雲先輩は
また私の頭を撫でた
「私なら大丈夫」なんて
どこをどう見てそう思ったのだろうか
でも…
東雲先輩のあたたかい手を
前より受け止められる
安心する、なんて思ってしまう
どうして私は、先輩に行かないかと聞かれて
「合わせる顔がないから」と答えたのか
前までなら「どうでもいいから」と答えていたはず
きっと、その理由は
私が1番、よく分かってる
まだ言い慣れない言葉を口にすると
先輩はそんな適当に聞こえる返事をするが
その声は、とても優しく聞こえた














![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)


編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!