第5話

石は所詮石なの
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2021/03/26 03:28
「あれって、石じゃない?」






その言葉が教室に冷たく響き渡る。







「石って?」



「アイツ、中学の時にずっと動かないし、なんか、トロイし、よくイジメてたんだよね(笑)
へー、真星落ちてここ来てたんだ(笑)」






そう言われ、周りからは「だから、賢いんだ」






いつまで経ってもその陰口が痛くて逃げたくなった。






居た堪れない…






そう思い、逃げた。






また逃げるしか出来ないんだ…







舞香side





坂東ちゃんが出て行ったあと思わず、






舞香「何あいつら、ドクズじゃん。」





そう言ってしまった。






あの子が石?てめぇらがそうさせてんだろ。クズすぎじゃない?







長谷川を見ると「俺は関係ない」って顔してるし。





私は坂東ちゃんを守らないと







授業開始のチャイムが鳴っても坂東ちゃんは来なかった。






珍しく起きてノートを取っておこ。









希side





放課後、日誌を書いていた






図書室は誰も来ないから安心できる。







ただ、さっきのことが過ぎり、辛くなってきた。







助けて欲しいのなんて高望みすぎる?



私はいつまで経っても石なんだ。




石っていう呪縛から解放したい


強くなりたい







?「強くなりたい…ねぇ。」






声が聞こえ、後ろを振り向くと長谷川くんがいた。






希「あ、」





手渡されたノート






6時間目の授業のノート。




慎「で、強くなりたいの?」




希「はい…」





慎「なら、助け呼べよ。」




助け呼んで、誰が助けてくれるの?




私がさっき呼んで、助けてくれたの?






そもそも助け呼んだら弱いじゃん…






すると、外の方から何かを捨てる音と笑い声が聞こえた。







嫌な予感…








希「…」






急いで、自分の靴を確認したがなかった。





そして、ゴミ箱に入ってる靴。







どうやって、助けて貰いたいの?






助けって必要なの?






慎「助けて欲しいなら言えばいいのに」



希「誰に…?」



誰に助け求めたら良かったの?






スカートを強く握り、ゴミ箱から靴を取って、下足棚に戻し、図書室に戻った。

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