「お姉様は吸血鬼ハンター一族の娘だった。」
「・・・・・・やっぱり。」
「何かわかってたの?フラン。」
「憶測でここまではわかっていたわ。」
「アーリアお姉様は、今は吸血鬼だけど昔は違ったって。」
「・・・・・・そう。」
「ハンター一族は、人間だった。」
「名前は、羅針月 巳蕾。」
「ハンターNo.4989。」
「父親が怖くて、ただ吸血鬼を狩っていた。」
「過去を扱う程度の能力が強すぎたから、負けた事はなかった。」
「そう、とある日までは___」
「死ぬ。」
「はっきりそうわかった。」
「そうして息の根は止まる、はずだった。」
「しかし。」
「そう言い、吸血鬼にした。」
「しかし、吸血鬼になった後の彼女は強すぎた。」
「過去を操る程度の能力へと変化し、吸血鬼という事で強さが格段に上がった。」
「そのせいで、手に持っていた銀のナイフでその吸血鬼を瞬殺してしまった。」
「その、数千年後。」
「今から約300年前。」
「紅魔館を、知った。」
「紅魔館に現れ、過去を操った。」
「過去の記憶諸共、全部。」
「私達のどころか自分のさえ・・・・・・」
「羅針月巳蕾なんて存在しない、アーリア・スカーレット。」
「スカーレット家の長女。」
「そうして、今に至った・・・・・・」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!