第24話

第24話
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2021/02/04 02:50
佐原和也
佐原和也
明日もいい天気になる。
きっと・・・
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
お兄ちゃん!見て!
佐原和也
佐原和也
ん?どうした?
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
スノードロップがこんなにきれいに咲いてるよ
佐原和也
佐原和也
・・・・・
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
いよいよ明日だね!本番
春を呼ぶというスノードロップ。
その花を大切にしているサリーちゃん。
佐原和也
佐原和也
サリー、もう遅いから寝ろよ?
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
お水あげてから・・・
佐原和也
佐原和也
寝不足の顔じゃ竹もショックをウケるだろうから
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
(ドキン)や、やだ。お兄ちゃんにはバレていたんだ・・・・
佐原和也
佐原和也
あはは。やっぱりお前も女の子だな
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
あっ、ねぇお兄ちゃん
佐原和也
佐原和也
ん?
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
1日早いけど・・・バレンタインのプレゼント!美奈子さんにもらうと思うけど・・・
渡したのは、手編みの手袋。
佐原和也
佐原和也
サンキュー。やっぱりお前は器用だな
その手袋を、はめると、サリーちゃんの頭に手をのせて・・・・
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
・・・・・?
佐原和也
佐原和也
父さんがお前を養子にしたのはきっと・・・母さんに似て、編み物が得意な女の子だったからなんだろうな・・・
そう言って笑ってくれたお兄ちゃん。
この優しさが前から好きだった。
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
・・・・・
可愛そう・・・・じゃなくて私を一人の家族として迎えてくれた・・・・お兄ちゃんと、お義父さん。
佐原和也
佐原和也
おやすみ、サリー。明日な!
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
おやすみ、お兄ちゃん
国松 竹
国松 竹
サリーちゃんを必要としてくれる人はたくさんいるんだから!
そうだね、竹。
いまなら、竹が私にいってくれたことがわかる。
ありがとう。


高野涼
高野涼
最終日か・・・
いつのまにか日付はかわっていた。
13日に×印をうつ。

高野涼
高野涼
涼!しっかりしろ!
俺は両手で自分の頬をパチンとぶった。
そして、部屋を見渡し・・・三人が写る写真を見つめ、
高野涼
高野涼
涼太さん、ありがとう
そう呟いたら・・・
涼太
あなたの答えは出ましたか?
どこからか声がした
高野涼
高野涼
えっ?涼太さん?
シルエットだけ見えたような?
涼太
結論・・・・出ましたか?
高野涼
高野涼
・・・・はい。俺はもう逃げません
涼太
頑張ってください
俺には、そう言ってくれているように聞こえた。
空耳かもしれないが・・・・
高野涼
高野涼
・・・・・・
みんなと過ごしたこの日々のために・・。
与えられた命の時間に・・・・

感謝します!

高野涼
高野涼
ありがとう、涼太さん・・行ってくる
そして俺は最後の仕事に出る!!


俺は、がちゃりとドアを開くと・・・いつ藻の道を歩き出した。


14日目~最終日~


とうとうこの日が来てしまった。

舞台当日。


みんなは、準備でバタバタしているかと思いきや、以外にも冷静で・・・・
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
こっちは、バッチリだよ
佐原和也
佐原和也
よし!行くか
高野涼
高野涼
・・・・・・
国松 竹
国松 竹
こっちも準備できてますよ
高野涼
高野涼
・・・・
ダメだな、俺。みんなとさよならするって決めてきたのに・・・・

みんなの顔を見たら・・・・
佐原和也
佐原和也
涼、おはよう。体調はとうだ?ゆっくり眠れたのか?
高野涼
高野涼
おはよう。大丈夫、今朝は調子がいいんだ。みんながいるおかげだ。
佐原和也
佐原和也
そろそろ時間だ。しっかりやろうな
俺の肩に手をおき、前を歩こうとした。
高野涼
高野涼
和也・・・
佐原和也
佐原和也
ん?どうした?
高野涼
高野涼
・・・俺、生きてる証残せて良かったよ
佐原和也
佐原和也
なんだよ、証って
高野涼
高野涼
これが生きてた証だってみんなに伝えられる・・・・やっと・・・これが俺の夢だったから
佐原和也
佐原和也
・・・・涼?
高野涼
高野涼
なぁんて、カッコつけちゃったけど(笑)おもいっきり楽しもうな
バンっと、和也の背中を叩いた
佐原和也
佐原和也
イテテc(>_<。)シ*な、何すんだよ!お前ってほんとに変なやつ
高野涼
高野涼
そうそう!俺、変なやつなんだよ
佐原和也
佐原和也
ったく、元気だな(笑)
これでいいんだ。もう、思い残すことはない。
今日の舞台をやりきるだけだ!!
国松 竹
国松 竹
なんか緊張してきちゃいましたね
高野涼
高野涼
竹、ありがとうな!それから、頑張れよ?ゴールは近いぜ
国松 竹
国松 竹
えっ?ゴール?
涼さん、まだ始まってもいないのに・・・
高野涼
高野涼
俺にとってはこれがゴールなの。始まる前からがゴールなの
国松 竹
国松 竹
よくわからないですが・・・僕にとってはスタートなんですけどね・・・・
高野涼
高野涼
じゃあ、竹にだけは本当のこと話しておくよ
国松 竹
国松 竹
えっ?
高野涼
高野涼
・・・・・・・
俺は、竹に耳打ちした。
国松 竹
国松 竹
!Σ( ̄□ ̄;)
竹は目を見開いたままでいる・・・
佐原和也
佐原和也
涼、時間だ
高野涼
高野涼
じゃあ、竹・・・行ってくるから・・・ちゃんと見ててくれよ?
国松 竹
国松 竹
そ、そんな・・・・
竹はまだ、信じられないみたいだ
佐原 佐里奈
佐原 佐里奈
竹?行くわよ?大丈夫?
国松 竹
国松 竹
は、はい!しっかりしなきゃね・・・
そう笑ってごまかしていた。
竹は俺の言葉を揉み消すかのように自分の仕事をこなそうとしていた・・・・。

舞台に立つ俺と、和也を見ながら・・・・
さっきの俺の言葉を・・・
高野涼
高野涼
竹・・・ごめんな?
国松 竹
国松 竹
涼さん、嘘・・・ですよね・・・・
高野涼
高野涼
友達が死ぬんだ
国松 竹
国松 竹
今すぐ会いに行かなくていいんですか?
高野涼
高野涼
俺が夢を叶えるまで会わないって約束したから・・・
俺との会話を思い出していた、竹。
ビービー

夢の幕開け・・・・

俺の人生最後の扉が開こうとしていた。

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