第7話

4.その頃
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2024/05/28 09:15
一方その頃、看守庁本部という、政府では非公認になっている施設の廊下を、1人の少年が歩きながら通話していた。

『本当にこの中から合格者が出るのか?』

通話口から、男の声が聞こえた。

「はい、初期段階のチョイスは問題なしです。」

少年がタブレットの資料を見ながら報告する。そして「はあ~っ」と軽くため息をつくと、

「っていうか‼」

と叫んだ後、通話は一方的に切れた。


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暗い部屋の中で、1人の男がパソコンをいじっていた。男の顔は仮面で隠されており、素顔は分からなかった。ふと、扉が開き、少年が入ってきた。

「何回も電話してこないでくださいよ!天鬼本部長!」
天鬼
おっ、おお、そうか…?
天鬼は注意をされ、少し戸惑った。

「というか、またこんなに部屋暗くして…。」

と、少年が言うと、部屋の明かりのスイッチを入れた。部屋に明かりがついた衝撃で、天鬼が顔を隠す。

天鬼
まっ、まぶしい!やめろ、タノシミ!
タノシミ
いくら暗いところが好きだからって、人間だから目に悪いですよ?
タノシミはそんなこともお構いなしに天鬼に質問をした。
タノシミ
で?今の段階は?
天鬼
今のところ…この4人だな。
天鬼は映像を拡大した。そこにはジュンとホスト、リヒトとバーボンがいる。
タノシミ
やっぱり…リヒトとバーボン。
この2人はかなり優秀だから。熱海508番の僕も、見習わないとな。
どうやらタノシミ、リヒトとバーボンと知り合いの受刑者のようだ。
タノシミ
この2人は?
タノシミは映っているジュンとホストを見て訊いた。
天鬼
奈良少年刑務所の受刑者。
中林からの推薦だから、期待したんだが、今1つだ。
天鬼が呆れたように言った。タノシミは再び映像を見て、天鬼に言った。
タノシミ
いや、そうでもないんじゃないですか?
何かやってくれる気がする。

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