一方、ジュンとホスト、リヒトとバーボンは、バリケードを作った部屋で、円になって座っていた。
バーボンがつぶやく。
ジュンが言うと、リヒトとバーボンは目を見開いた。
少しの間の後、ジュンはホストに言った。
ジュンの考えにホストは呆れながらも、
と言った。少し考えると、
とつぶやいた。そしてバーボンに歩み寄り、彼の肩に手を置いた。
ホストの言葉に、ジュンとリヒトが目を見開いた。
自分が犯した罪を言い当てられたバーボンは、ホストに訊いた。
ジュンも驚きを隠せないでいた。
と、リヒトが立ち上がると、手を胸に掲げた。
と、呪文を唱えると、リヒトの体が光り、白い九尾の狐の姿になった。(リヒトの姿は、ご想像にお任せします。)
リヒトは部屋を一週すると、すぐに元の人の姿に戻った。
ホストが拍手をする。
と、また体が光り、今度は猫又の姿になった。
と、今度は雪女になった。
と、次は天狗になった。そして元の姿に戻ると説明をした。
と説明を終えた後、ジュンとホストは拍手をした。
今度はバーボンに訊いた。
リヒトの言葉に、ジュンとホストは驚きの声を上げた。
あまりの止め方に、ジュンは目が点になった。
ホストが話をまとめると、サイコメトリーで聞き取った言葉を巡らせた。
リヒトの意見を聞いて、ジュンがはっとした。
ジュンの言葉に、ホスト、リヒト、バーボンははっとした。
バーボンの言葉に3人はうなずき、4人は生きている人を探しに向かった。まず最初に向かった部屋では、1人の少年がすでに殺されていた。彼が残した血文字には、「死ぬの17回目。もう嫌だ。」と書かれていた。2つ目の部屋も、少年が1人殺されていて、3つ目の部屋も、少年が1人殺されていた。そして4つ目の部屋に入ると、1人の少年が生存していた。
ジュンが駆け寄ろうとすると、少年は4人から距離を取るように後ずさった。
「来るな!」
ホストはおびえている少年に近づいた。
ミナトが自己紹介をすると、ホストは彼の肩に手を置いた。サイコメトリーで読み取ってみると、彼が殺される瞬間が映し出された。彼は何者かにどこかを攻撃され、その影響で殺されてしまったようだ。
ミナトはおびえていた。そんな彼を、ホストは優しく抱きしめた。
ホストはミナトの肩に両手を置いた。
後ろにいたジュン、リヒト、バーボンもうなずいた。
その時、扉が開く音がして、5人は振り返った。見ると、またあの怪人が入ってきた。
リヒトが促すと、ジュンとホストはミナトを守るように後ろに下がった。リヒトとバーボンが怪人をにらみつける。リヒトとバーボンはうなずき合うと、バーボンは怪人に突進した。柔道の得意技で怪人に攻撃をする。そのすきにリヒトも戦いに入った。2人は怪人と戦いを繰り返していく。
怪人が攻撃をよけ、2人は息を荒くした。怪人は2人に飛びつくと、2人の首を一気に締め上げた。
怪人は2人を投げ飛ばした。そしてロックオンしたかのように、3人をにらみつけた。ホストはミナトを守るようにミナトの前に立つ。まず最初に、怪人はジュンを投げ飛ばした。続けてホストも投げ飛ばす。
1人残ったミナトに怪人が襲い掛かろうとした。次の瞬間、ミナトは怪人の攻撃をよけた。
4人が驚いている間、ミナトは怪人に攻撃を繰り返していく。その間に、先に起き上がったバーボンは怪人に向かって蹴りをした。2人はどんどん攻撃を繰り返していく。
倒れながら戦闘を見ていたホストは、小さくつぶやいた。
ホストの意見を聞いていたリヒトが立ち上がり、2人が怪人を抑えつけた後、自分も押さえつけた。
ホストも立ち上がり、怪人の思考回路を読み取ろうとした。が、逆に怪人に投げられてしまった。
ジュンがホストに駆け寄った。
と、ホストに伝言をすると、怪人に駆け寄り、体を抑えつけた。
バーボンが声をかけると、ホストは怪人に駆け寄り、怪人の肩を触った。しかし、怪人がジュンを投げ飛ばし、彼の頭に触手を突き刺した。そして、ジュンは力が抜けたように倒れた。
ホストが叫んだ。
ミナトが体を抑えつけながら促した。そして、ホストは再び肩に手を置いた。
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気が付くと、ホストは赤で包まれた空間に立っていた。どうやらここが、あの怪人の心の中のようだ。怪人の声がこだまし、ホストは思わず頭を押さえた。すると、何かが両腕と両足をつかんだ。
後ろを振り返った瞬間、あの怪人がホストの首を絞めた。
ホストは怪人を投げ飛ばすと、前方を見た。見ると、怪人の背中の一部が光っていた。
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気が付くと、ホストは再びあの施設に戻っていた。
ホストが叫ぶと同時に、怪人は4人を突き飛ばした。そしてホストの額を鋭い爪でひっかいた。地面に血が広がり、ホストは倒れた。
リヒトが叫んだ。そして、バーボンとミナトは怪人を抑えつけた。
バーボンが声をかけると、リヒトは呪文を唱えた。
と、覚の姿に変身すると、鋭い爪で怪人の首の後ろを攻撃した。怪人が悲鳴を上げると、怪人は消滅した。そしてリヒトが元の姿に戻ると、バーボンとミナトの方を見た。
と、バーボンとミナトはハイタッチをかわした。
リヒトは、そこに倒れているジュンとホストの姿を見て小さくつぶやいた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!