スタッフさんに連れてこられて
そこに居たのは全身黒づくめの人
黒い帽子にサングラス 、
それに黒いマスクもつけている
いかにも芸能人って感じの雰囲気
僕がそう言うと真っ黒な人は
ゆっくり振り返った
僕は手に持っていたグラスを
落としてしまった
足元にはガラスの破片が散らばっている
スタッフさんを呼んで
対応してくれてるモモちゃん
僕は ?
僕は思考が追いついていなくて
ただぼーっとモモちゃんを見ることしかできない
少しずつ頭は追いついてきたけど
モモちゃんとやり取りするのがやっとだ
まさか … 来てくれるとは思ってなかったし
本当にびっくりしている
何言ってるのか 、
忙しい時間を割いてでも僕の為に
ここへ来てくれることがどれほど嬉しいことか
君は分かってないだろうねㅎ
そう言って僕に紙袋を差し出した
モモさんは日本人
こういった気遣いができるのは
僕達韓国人と全く違うなと心から思う
素晴らしいと思う
彼女は本当に急いでそうだった
時間がない中来てくれたことが
ひしひしと伝わる
どんどん遠ざかる彼女の背中
彼女は金木犀の香りと
僕の心に愛おしさを残して消えていった














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。