放課後。誰もいない図書館。
ここでゆったり勉強をしよう。
でもそれ以上にここに来たい理由が私にはある。
ガラガラガラ
古い引き戸の音がなり、誰かが入ってくる。
待っていた人だ。
お互い会釈して気まずい感じ。
ほとんど毎日会っているのに、全然言葉も交わさない。
でもどこか目が離せなくていつの間にか毎日ここに来ていた。
あ、そうだ。資料探さないと行けないんだった。
机から立ち上がり、本棚に向かう。
身長が小さくてもちろん上の方は届かない。
無理やり引っ張ってやろうとしたら、
隣に置いてあるものまで一緒に落ちてきた。
その本は私の頭に直撃し床に落ちる。
静かな図書館に響き渡る騒がしい音と声。
ゆっくりと本棚の隙間からそう声をかけてきたのは、
初めて聞く声だった。
といいながら急いで落ちた本を片付ける。
ふと私の視界に入ったのは指が長くて、大きい手。
見えた瞬間、私は手が止まってしまった。
少し顔を上げると、ずっと気になっていた彼の顔がそこにあった。
近くで見ればもっと綺麗で、
私が見とれているあまり、見つめすぎて不審に思われた。
彼は私の目を見て不思議そうな顔をする。
そう言って彼は私が落としたものを全てまとめてくれた。
そう彼はずっと本を読んでいる。
かっこいい見た目に反して、本を読むなんておしゃれなことしてる人はそう滅多に居ないと思う。
そんな彼が、気になる。
よしっと言って立ち上がる彼に便乗して私も立ち上がる。
座っていた机に戻ると、彼が口を開いた。
そう言って彼が座ってるテーブルを指差した。
サラッとそういう君。
そういうと彼は隣の席の椅子を引き出す。
え、隣に座ってということ??
正面とかじゃなくて横?
そんな疑問も抱いたけれど緊張しながらおそるおそる隣に座る。
ふと彼が本を開いたのを見ると、その本は私も読んだことのあるものだった。
そう言うとそのまま彼は本を読み続けた。
私はというともちろん勉強なんて集中出来るわけがなくて、ドキドキが止まらない中集中してる風にペンを動かす。
そう言うと、彼はずーっと読んでいた本を私に渡してきた。
また近くに来ていいんだ、また彼とお話できるんだ。
それからというものの、よりもっと彼のことを知りたくなった私はもちろん毎日図書館で彼に逢いに来ていた。
ガラガラガラ
ドアを開けて、図書室に入るといつも私が先に来ているのでもちろん誰もいない。
その声と急に肩を掴まれて驚かされた私。
驚きすぎて持っていた教科書など全部落としてしまった。
頭を優しく撫でて、そう言うとまた、あの時みたいに拾ってくれる。
そんなことを簡単にする彼のこと、私は出会った時からもう既に恋に落ちていたんだと気づいた。
落としたものの中にはこの前彼から貸してもらった本があった。
実は、ずっと前に読み終わっていて、返した方がいいだろうなと思いながらも、これを返してしまったら彼に会う理由がなくなるような気がして手放したくなかった。
そうちょっと微笑みながら言う。目が合うと、私はもう何も考えられなかった。
ガラガラガラ
そのとき聞こえたのはドアを開ける音。
いつも誰も来ないはずの図書室。
私たちは2人しゃがんで胸が高鳴るのが聞こえるくらいの距離に顔があった。
シーっといいながら私の口を彼の大きい手が囲う。
私は不審そうに目で見渡す彼の横顔を見つめることしか出来なかった。
ガラガラガラ
その人が出ていった音が聞こえた。
おかしくて、状況が意味わかんなくて2人で笑った
目が合って、
彼は私の肩に手置いて、
そのまま優しく唇が触れた。
そのまま私は彼に抱きついた。
毎日ここに来ていてよかった。
私とあなたしかいない空間。
これからは図書室以外の景色もあなたと見たい。
この場所であなたに出会えて本当に幸せだよ。
あんなにステージ上ではかっこよくて、ヒョンであるリオからとっても愛されているサンウォンだけど本を読むのが趣味なんて素敵すぎて涙が出ます。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!