大浴場から帰ってくると部屋に布団が敷かれていつでも寝られるようになっていた。
ふかふかの布団に飛び込むと太陽のいい匂いがした。
と、ヨンフンがあなたの上に飛んでくる。
そのままぎゅうとあなたを抱きしめた。
あなたの首筋にちゅっと軽くをキスする。
今度は耳をカプッと噛んできた。
せめてもの抵抗としてあなたは胸を押し返そうとするけれど、腕に力が入らなくてびくともしない。
押さえつけられいる。
そう思うと、あなたは急に息苦しくなってきた。
目を開いているのに、視界が真っ暗で何も見えない。呼吸も浅くなってうまく息が吸えない。嫌な記憶が、蘇ってくる。
ヨンフンもあなたの異変に気付く。弱々しく伸ばしてきた手を握った。
小さく震えるあなたが落ち着くまでヨンフンは抱きしめ背中をさすった。
ヨンフンは机にあるポットから白湯を入れ、あなたに渡す。あなたはゆっくりとそれを飲んだ。
一番嫌な記憶。あなたが練習生時代の辛い記憶。
HALOではヨンフンだけが知っている出来事。
あなたに布団をかけて背中をトントンさすり、ヨンフンはあなたが寝付くまで見守った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!