第108話

101話(sideカイリュウ)
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2025/12/26 12:00 更新
バスに乗り込むと、隣の席を誰よりも早く埋めたのはセイトだった。


「おもろい話はないで」

「おい、まだなんも言ってへんやん」

「顔に書いてあんねんもん」


セイトは前の方に視線を移す。
先には、スタッフの隣でにこにこ話してるあなた。


「なんや、お前もっとしんどい顔してるかと思ったのに」

「残念そうにすんなや」

「ま、詳しい話はまた2人の時に聞こかな〜」


ニヤニヤ笑うセイトに、ため息が出る。


バスが動き出し、朝日が差し込む。
窓の外の景色を眺めているうちに撮影場所へ到着した。



「みんな〜おはよう〜〜!!会いたかったで〜〜!!」

「はいはい、2日ぶり〜」

「ナオくん朝から元気すぎん?」


みんな大袈裟なナオヤに呆れつつも自然に輪ができる。


「あなたのあだ名…!!久しぶりやな!会いたかった〜!!
昨日ちょ〜可愛かったよ!写真見た!!」

『わ、あ、ありがとう』


あなたは両手をナオヤに掴まれて動揺して答える。


「おい、あなたさん引いてるで」

「ナオくんが昨日直で見とったら1番うるさかったやろな」

「あ、そういえば、はやと達、昨日ナオにお土産買ったんだ」

「え、ほんま?!」

「はいこれ」


渡すと、眉間にしわを寄せる。


「え、何これ」

「屋台の参加賞」

「ほら絶対この顔するって言うたやん」


俺が笑うと、ハヤトも満足げに笑っていた。

そんな中、ナオヤが突然思い出したように叫ぶ。


「あ!!そういえば、かいりゅう!!
あなたのあだ名と同じ部屋やったんやろ?!?」


(……めんどくさ)


「なんで知ってるん」

「朝のラインで2人一緒にいる感じやったから聞いたんよ!
そしたら “色々あって同じ部屋になったんです” って言われて…なおビックリ!!」


本当に騒がしい。


「なおもあなたのあだ名とお泊まり会したいのに〜!かいりゅうずるい〜!!」

「いや、そこなんや」


ランが低音で突っ込み、
ナオヤはぶーぶー文句を言っていた。

そんな騒がしい空気の中、スタッフさんの声が飛ぶ。


「集合してくださーい!
あなたさんはミーティングあるんで、こちらです!」

『はーい!じゃあみんな、また後でね!』


手を振るあなたに、みんなが一斉に返事をする。

彼女がスタッフの元へ向かう後ろ姿を見送りながら、胸の奥がふっとあたたかくなる。

ほどよい高揚と、少しだけ特別な気持ち。


「ほな、準備するか」


メンバーと軽口を交わしながら、撮影の空気へと気持ちを切り替えた。

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