第4話

76
2024/02/25 01:01 更新
友暗
友暗
ひまー!!
みんなでくつろいでいるといきなりゆあんくんが声を上げた。
斬兎弥
斬兎弥
いつも通りゲームでもしてこい!
友暗
友暗
飽きた!
斬兎弥
斬兎弥
ゲームかわいそ((
蛇羽羽
蛇羽羽
あ!俺たっつんの話聞きたい!
と、訳の分からないことを言い出したじゃぱぱ。
斬兎弥
斬兎弥
俺の話って何
蛇羽羽
蛇羽羽
みんなとどう出会ったのか!
歌涼
歌涼
それ面白そうじゃん!
それまでピアノを弾いていたうりも手を止めて話に入ってきた。
斬兎弥
斬兎弥
まぁ確かに話したこと無かったよなぁ…
乃亞
乃亞
いいんじゃない?w
大きなトレーに紅茶やらコーヒーやらのカップを乗せてみんなに配りながら言ったのあさん。
斬兎弥
斬兎弥
のあさんまで…
冬塗駆
冬塗駆
俺も聞きたい!
元気よく言ったのは狐の獣族、白狐冬塗駆しらこどぬく
斬兎弥
斬兎弥
話すと長くなるで?
冬塗駆
冬塗駆
うん!いいよ!
菜桜樹里
菜桜樹里
楽しそうだからいいんじゃないですか?
菜桜樹里
菜桜樹里
みんな聞きたそうだし…
そう言ったのは花族の青花菜桜樹里あおはなおきり
斬兎弥
斬兎弥
なおきりさんも聞きたいんやろ?w
菜桜樹里
菜桜樹里
あ、バレました?w
斬兎弥
斬兎弥
だってそれ、ハツユキソウやんw
と、なおきりさんの頭を指さす。
彼の頭にはいつも花の冠が乗っているのだが、その花が感情によって変わるのだ。
菜桜樹里
菜桜樹里
よく分かりましたねw
斬兎弥
斬兎弥
一応覚えてるんで。
ハツユキソウの花言葉は「好奇心」「祝福」「穏やかな生活」。その中でも今は「好奇心」が発動しているから、彼は俺の話に興味があるらしい。
模巫
模巫
俺も聞きたい
本を読む手を止めて言ったのは魔族の紫鏡模巫しきょうもふ
斬兎弥
斬兎弥
色んな種族のこと知りたいんやろ?
模巫
模巫
うん。たっつんの話は本に乗ってないことがたくさん分かるから。
もふくんは本が大好きで頭がいい。常に新しい知識を欲しがって、よく俺も話をしている時がある。
光楼
光楼
俺も結構最後の方に来たから知りたーい
そう言ったのは天使の羊天光楼ようてんひろ
斬兎弥
斬兎弥
じゃあちょっとだけな。
みんなの押しに負けて俺は話し始めた。
斬兎弥
斬兎弥
1番最初、のあさんと初めて会ったのは20年前のこと。
斬兎弥
斬兎弥
俺が6歳、のあさんが5歳の時の話。
20年前
突然だが、俺には親がいない。
いた記憶はあるのだが、なぜ今いないのかは分からない。
確か俺が3歳くらいの時にはいなかったんだっけ。
俺は6歳にしてでかい屋敷にたった1人で住んでいた。
散歩にでも行こうと思い、屋敷近くのいつもの森に入った。
少し歩くと遠くの方から誰かの気配がした。
気配のする方へ歩いていくと、1人の女の子がうずくまって震えていた。
その子の服はボロボロだけど髪は鮮やかなピンク色。背中には蝶族特有の小さな薄い羽が生えていた。
斬兎弥
斬兎弥
どうしたの?
話しかけるとびっくりして肩を跳ねさせるその子。
乃亞
乃亞
だ、れ…?ブルブル…
弱々しい声が聞こえた。
斬兎弥
斬兎弥
おれたつや。きみは?
と、聞くとその子は小さな声で、
乃亞
乃亞
のあ…
と言った。
斬兎弥
斬兎弥
のあ、ちゃん…?
乃亞
乃亞
うん…
斬兎弥
斬兎弥
なんでこんなとこにいるの?
乃亞
乃亞
すんでたむらがしらないひとたちにもやされてっ…にげてきたの…
斬兎弥
斬兎弥
ッ!?
まだ俺と同い年か少し下かくらいなのにそんなことがあったなんて…
斬兎弥
斬兎弥
いくばしょないの?
乃亞
乃亞
コク…
斬兎弥
斬兎弥
…おれのいえくる?
乃亞
乃亞
パァァァ…いいの?
さっきまでの暗い顔が嘘のように明るい顔を見せるのあちゃん。
斬兎弥
斬兎弥
うん。おれ、ひとりですんでてさびしかったんだ。
乃亞
乃亞
おかあさんとおとうさんは…?
斬兎弥
斬兎弥
いないんだ。
乃亞
乃亞
ぁ、ごめん…
と、少し俯くのあちゃん。
斬兎弥
斬兎弥
だいじょぶだよ。いまさびしくなくなった。
乃亞
乃亞
なんで…?
斬兎弥
斬兎弥
のあちゃんにあえたから。
乃亞
乃亞
!のあもさびしくなくなった!
斬兎弥
斬兎弥
なんで?
俺も同じように聞いた。
乃亞
乃亞
たつやくんにあえたから!
斬兎弥
斬兎弥
!よかった…これからよろしくね!
乃亞
乃亞
うん!



斬兎弥
斬兎弥
ここ、おれのいえ。
乃亞
乃亞
わぁ…✨️おっきいね!
と、大きな目を更に大きくして輝かせるのあちゃん。
斬兎弥
斬兎弥
うん!さびしいけど、おれこのいえだいすきなんだ!
乃亞
乃亞
のあも!
斬兎弥
斬兎弥
いまきたばっかじゃん…w
乃亞
乃亞
いますきになったの!
斬兎弥
斬兎弥
そっか!じゃあはいろ!
乃亞
乃亞
うん!



あの後すぐの時は小さかったから家事も全然出来なくて、毎日がギリギリの生活だった。
でも、2人で協力して色々やっていくうちにたくさんのことが出来るようになっていった。
斬兎弥
斬兎弥
…って感じやんな?
と、のあさんに視線を向ける。
乃亞
乃亞
そうだね〜。懐かしい…w
关斗
关斗
のあさん大変だったんだね…
そう言ったのは堕天使の堕死关斗だしんえと
乃亞
乃亞
ほんとに…あんな絶望の底から救い出してくれたたっつんさんには感謝しかないですね。
友暗
友暗
てか2人とも呼び方何があった?w
斬兎弥
斬兎弥
さぁ…wなんかいつの間にかよな。
乃亞
乃亞
うんうん。敬語は今でも使ってないけどね。
蛇羽羽
蛇羽羽
俺達には?
乃亞
乃亞
使いますよ。
蛇羽羽
蛇羽羽
なんで?
乃亞
乃亞
たっつんさんは20年ずっと一緒だから敬語使わないけど、他のみんなは分かんないですね。
斬兎弥
斬兎弥
今でも2人だけの時は呼び方ああなるけどな。
乃亞
乃亞
そうだね。
友暗
友暗
え、今やってみてよw
歌涼
歌涼
あ、いいじゃん!2人だけだと思って!
斬兎弥
斬兎弥
え〜?w
蛇羽羽
蛇羽羽
やってー!
斬兎弥
斬兎弥
のあちゃん…?
乃亞
乃亞
たつやくん…?
斬兎弥
斬兎弥
あー!慣れない!
斬兎弥
斬兎弥
お前らおると慣れない!
乃亞
乃亞
久しぶりだったもんねwww
斬兎弥
斬兎弥
最近話せてないもんな〜www
乃亞
乃亞
今度思い出話でもしよ!
斬兎弥
斬兎弥
やな!
四麻
四麻
あの〜wちょっと後ろ見てもらって…w
と言ったのは蛙の獣族、蛙四麻かわずシヴァ
彼に言われて後ろを振り向くと、
たっつん愛し隊
チ───(´-ω-`)───ン
斬兎弥
斬兎弥
どしたー?
たっつん愛し隊
チ───(´-ω-`)───ン
斬兎弥
斬兎弥
あ、死んでんのか。
关斗
关斗
軽い!w
流流
流流
のあさんに嫉妬したんじゃないですか?w
笑いながらそう言ったのは妖精の水星流流すいせいるな
斬兎弥
斬兎弥
嫉妬?
流流
流流
はい!
斬兎弥
斬兎弥
…なんで?((
四麻
四麻
((鈍感?!
乃亞
乃亞
話戻るけど、私の次に会ったのじゃぱぱさんとゆあんくんだったよね。
斬兎弥
斬兎弥
そうやったな〜…お前ら話聞かんでええんか?
たっつん愛し隊
聞きます!!
斬兎弥
斬兎弥
おぉ…元気やなぁ
流流
流流
2人とはいつ出会ったんですか?
斬兎弥
斬兎弥
俺が16歳、のあさんが15歳、じゃぱぱが14歳、ゆあんくんが8歳の時、のあさんと出会ってから10年、今から10年前の話や。
斬兎弥
斬兎弥
あ、調査依頼やって。
乃亞
乃亞
また?
俺たちは生活するのにお金や物資が足りなかったので、とある仕事をしていた。
乃亞
乃亞
どこの?
斬兎弥
斬兎弥
東の方
乃亞
乃亞
…遠い
斬兎弥
斬兎弥
しょうがないやん。仕事なんやし…
俺たちの仕事というのは、森の調査だ。
まだ、解き明かされていない謎がある森や、危なくて人が入れない森などの調査依頼を受けていた。
斬兎弥
斬兎弥
早速今から行くかな。
乃亞
乃亞
情報はちゃんと取ってきてね!
斬兎弥
斬兎弥
分かった!じゃ、行ってくる〜
乃亞
乃亞
いってらっしゃ〜い!
ガチャン
斬兎弥
斬兎弥
行くか。



斬兎弥
斬兎弥
っし…着いた。
早速森の中に入って少し歩いてみる。
斬兎弥
斬兎弥
ん?
グスッ…グスッ…
少し遠くの方から泣き声が聞こえてきた。
声のした方へ歩いていくと、男の子が2人、座って泣いていた。
2人とも怪我をしているようであまり動けなさそうだ。
斬兎弥
斬兎弥
君たち、どうしたん?
2人の目線に合わせるようにしゃがみ、問いかける。
蛇羽羽
蛇羽羽
ビクッ…お前…誰…
斬兎弥
斬兎弥
俺はたつや。悪いことしないから、怖がらなくて大丈夫やで。
赤茶色の髪の子は俺より少し下くらいだろうか。
言葉がはっきりしていて警戒心が強い。
もう一方の赤髪の子は随分と子供に見える。まだ10歳にも満たなさそうだ。
斬兎弥
斬兎弥
なんでこんなとこにおるん?
蛇羽羽
蛇羽羽
…逃げてきた。
斬兎弥
斬兎弥
え…?
蛇羽羽
蛇羽羽
ゆあんくんが村で生贄にされそうになったから、逃げてきた。
ゆあんくんというのはきっと赤髪の子のことだろう。
生贄の文化…吸血鬼か…
吸血鬼の村では毎年5人ずつ神に生贄を差し出すという恐ろしい風習があるらしい。
斬兎弥
斬兎弥
これからどうするん?
蛇羽羽
蛇羽羽
…分かんない
斬兎弥
斬兎弥
…俺の家来るか?
蛇羽羽
蛇羽羽
ぇ…?
斬兎弥
斬兎弥
行く場所無いんやろ?
斬兎弥
斬兎弥
俺の家来たら面倒見たるよ。
蛇羽羽
蛇羽羽
どーする…?
友暗
友暗
…いきたいっ…グスッ…
と、小さな声が聞こえた。
蛇羽羽
蛇羽羽
行っていいの…?
斬兎弥
斬兎弥
ええよ。俺以外にもう1人おるんやけど、大丈夫?
蛇羽羽
蛇羽羽
うん…!
斬兎弥
斬兎弥
じゃあ、行くか。
斬兎弥
斬兎弥
立てるか?
蛇羽羽
蛇羽羽
俺は大丈夫だけど…
友暗
友暗
あっ…たてないっ…
斬兎弥
斬兎弥
乗せてくか。
そう言って俺は赤髪の子に背を向けてしゃがんだ。
斬兎弥
斬兎弥
乗ってええよ。
友暗
友暗
ん…
斬兎弥
斬兎弥
よいしょ…君も手繋いどこか。この森危ないから。
蛇羽羽
蛇羽羽
ん…
斬兎弥
斬兎弥
名前なんて言うん?
蛇羽羽
蛇羽羽
俺じゃぱぱ…
友暗
友暗
…おれ、ゆあん
斬兎弥
斬兎弥
じゃぱぱとゆあんか…いい名前やな。
斬兎弥
斬兎弥
2人とも何歳?
蛇羽羽
蛇羽羽
14…
友暗
友暗
…8
斬兎弥
斬兎弥
まじかぁ…
これ誘拐にならん?((
斬兎弥
斬兎弥
てかゆあんくん吸血鬼なんやろ?
と、後ろに顔を向けて聞く。
友暗
友暗
ぇ…うん…
斬兎弥
斬兎弥
血、足りとるん?
友暗
友暗
フルフル…
小さく首を振った。
斬兎弥
斬兎弥
家着いたら俺の飲んでええから。
友暗
友暗
パァァァ…ほんと✨️
斬兎弥
斬兎弥
うん。ほんと。
友暗
友暗
やったぁ!✨️
さっきまで泣いていたとは思えないほどの笑顔を見せるゆあんくん。
蛇羽羽
蛇羽羽
たつやさんって…何歳ですか?
斬兎弥
斬兎弥
16歳。あと敬語無しでたっつんとかでええよ。
蛇羽羽
蛇羽羽
あ、ぇと、たっつんって何族?
斬兎弥
斬兎弥
俺は混合種族。
友暗
友暗
え?!すげー!!✨️
と、再び顔を輝かせる。
蛇羽羽
蛇羽羽
でもそしたら血…吸わないと…
斬兎弥
斬兎弥
混合種族の吸血鬼の特性としては、1ヶ月に1回くらい吸えば大丈夫なんよ。
蛇羽羽
蛇羽羽
へ〜…
斬兎弥
斬兎弥
興味無いやろ…w
蛇羽羽
蛇羽羽
あるよ!
友暗
友暗
なんで耳黄色いの?
と、ゆあんくんが俺の頭に生えている兎の耳に触れた。
斬兎弥
斬兎弥
さあ。でもなんか獣族の耳は髪の色とかと同じになるって聞いたことあるな。
友暗
友暗
へー!面白い!
斬兎弥
斬兎弥
やろ?俺はそういう種族とかの研究してるんよ。
蛇羽羽
蛇羽羽
じゃあもっと色んなこと知ってるの?
斬兎弥
斬兎弥
うん。家帰ったらたくさん話したるよ。
蛇羽羽
蛇羽羽
面白そう、!
斬兎弥
斬兎弥
そうやな…w
友暗
友暗
早く行きたい!
斬兎弥
斬兎弥
はいはいw



斬兎弥
斬兎弥
よし。着いた。
ゴンゴンッ
大きな扉を叩くと低く鈍い音がした。
キィィ…
乃亞
乃亞
おかえり〜!
斬兎弥
斬兎弥
ただいま!
乃亞
乃亞
あれ、その子たちどうしたの?
と、2人に視線を向ける。
斬兎弥
斬兎弥
森で拾ってきた。
乃亞
乃亞
なるほど。
乃亞
乃亞
初めまして!私のあって言います!よろしくね!
蛇羽羽
蛇羽羽
じゃぱぱです。よろしくお願いします。
友暗
友暗
ゆあんです!よろしくお願いします!
乃亞
乃亞
元気ですねぇ…w
怪我の手当もして、ゆあんくんには血も吸わせて、森の調査も無事に(?)終わった。
てかなんで俺毎回森で人拾ってんの?((
まだ3人みたいな子達がたくさんいそうだな…
これからも見つけたら助けてあげないと…
斬兎弥
斬兎弥
今思えば俺人助け稼業やってるみたいやな…w
乃亞
乃亞
まあ困ってる人を助けるのはいいことだからね。
蛇羽羽
蛇羽羽
てか俺最初たっつんに初めて会った時警戒心強すぎてたっつんのこと''お前''って言ってたんだ…w
斬兎弥
斬兎弥
あれ今思い出すと相当ショックやったわ〜w
蛇羽羽
蛇羽羽
さーせんっした!w
友暗
友暗
生贄ねぇ…懐かしい…w
模巫
模巫
今でもそういう文化あるの?
斬兎弥
斬兎弥
1部の村ではあるらしいけど、ほとんどがもうやってないんやって。
冬塗駆
冬塗駆
こわ〜…
斬兎弥
斬兎弥
よし!今日はここまで!
🍑
えー??
光楼
光楼
もっと聞きたいのに〜…
斬兎弥
斬兎弥
俺研究するの!
关斗
关斗
なんの?
斬兎弥
斬兎弥
色々!
乃亞
乃亞
じゃあ私も手伝いしますかね。
そう言って立ち上がったのあさん。
斬兎弥
斬兎弥
それはありがたいわ。
斬兎弥
斬兎弥
じゃ、お前ら適当に遊ぶでもなんでもやってろ〜
斬兎弥
斬兎弥
あ、研究室来たらぶっ〇すからな〜
🍑
いや怖っ!?
乃亞
乃亞
冗談じゃないですからね!ほんとに〇しますから!
🍑
気をつけます…
斬兎弥
斬兎弥
よろしい。
俺もソファから立ち上がり研究室に向かった。
四麻
四麻
やっぱあの二人サイコパスコンビだよね。
流流
流流
そうですよね〜。
斬兎弥
斬兎弥
なんか言ったか〜?
🍑
何も言ってません!!
乃亞
乃亞
あんま物騒なこと言うもんじゃないですよ〜
歌涼
歌涼
あの二人が言えることじゃねぇだろ…w
菜桜樹里
菜桜樹里
怖すぎますね…w
サイコパスコンビの怖さを思い知った日であった。

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