3月卒業生の門出を祝う音楽が体育館から流れている。
手放したくなかったあの人に教えてもらった秘密の場所で、教えてもらった本を片手に途中でやめて挟んだままだった。息のできない教室で空気を読むことに忙しくて 今まで忘れてたよ。そんな僕に句読点がない君の嘘はとても可愛かった。後ろ前逆の優しさはすこしだけ本当だった。僕たちの物語が簡単なあらすじ なんかにまとまってたまるか、途中から読んでも意味不明な2人の話。桜散る桜散る ひらひら舞う文字が綺麗。僕たちの言葉て綴った本、最後のページの「今ならまだやり直せるよ」が風に舞う。それと同時に地面に水色の付箋が落ちる。「嘘だよ ごめんね」僕があの人の本に挟んだ付箋と対象的な色。僕のピンク色の付箋は見たのかな「新しい街にいっても元気でね」嘘なんかじゃなかった。桜散る桜散る お別れの時間がきて「ちょっといたいもっといたいずっといたい」って伝えられてたら。情けない僕はうつむいてるくらいがちょうどいい。地面に咲いてる気づけないくらいなんだから。
初めて呼んだ君の名前 振り向いたあの顔。それだけでなんか嬉しくて 急いで閉じ込めた。今君はあの人だなんて言って俺に一線引いてるのかな…あのね本当は正直になれなかった。今更だけど言えなかったことをあとがきに書くよ。あとがきに書いても意味不明な2人の話。本当は好きだったなんて、ありがちで退屈な どこにでもある続きが開いたら落ちてひらひらと風に舞う。君との物語に迷っても止まっても いつも今を教えてくれた栞
ありがちで退屈などこにでもある続きが終わってからわかっても 遅いのにな、卒業式の終わった今 付箋に気づいたよ。君に合わせる顔のない俺はうつむいてるくらいがちょうどいいと地面に泣いてる。この気持ちもいつか 手軽に持ち運べる文庫になって 懐かしくなるから それまでは待って地面に水をやる。ても軽々しく文庫になんてしたくない。
桜散る桜散る ひらひら舞う文字が綺麗
「今ならまだやり直せるよ」が風に舞う。「まだ体育館にいるかな…」「まだあの場所にいるかな…」嘘だよ ごめんね新しい街にいっても元気でね。そんな文字たちは消してやり直させて、いや…消さなくったっていいうわがきていいから。桜散る桜散る お別れの時間がきて「ちょっといたいもっといたい ずっといたいのにな」うつむいてるくらいがちょうどいい、だって泣いてるのバレちゃうでしょ。だから今は地面に咲いてる花を咲かせよう。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。