瞬間に美しい背中は降り立った。
上から降ってくる彼女は蜘蛛ような糸を張り道を塞いだ。
くらり、と見ている景色が変わったことを実感したのは数秒後だった。
うるさいアハウの声もぼんやりと聞こえてくる。
指先から動かない感覚は生まれて初めてであったのだ。
口喧嘩の声は薄らとなっていき、体がふわりと浮く感覚が、俺の最後の感覚となった。
小さな龍の小さな手で少年は首根っこを掴まれ、飛んでいく。
エミリエ殿がメガネをあげる。
チャスカは懐からちび竜ビスケットを出すが、そのビスケットはボロボロに割れていた。
カチーナちゃんの元気が出たような顔を見て、チャスカは安心したのか、「せっかくだし他の菓子も買いに行こうか。」と手を差し伸べた。
カチーナちゃんはその誘いを元気よく受けて、売店の方へ向かう。
「あれ、次の試合って…………キィニチだよね。」



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。