第44話

触れそう
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2026/04/24 22:00 更新


授業終わり。

ざわざわした教室。

椅子の音、話し声、足音。

みんな帰る準備をしてるのに。

動けない。

さっきの言葉が頭の中でずっと反響してる。

「変わらんままの方が、もっと嫌かもしれん」

心臓がうるさい。

ノートを閉じる。

ペンをしまう。

ゆっくり立つ。

その瞬間。

袖が軽く引かれる。

振り向く。

らぴすくん。

らぴす「ちょっと待って」

小さな声。

でも逃げられない声。

人が減っていく教室。

空気が静かになる。

近い。

距離が、昨日よりも、さっきよりも、近い。

らぴす「昨日からずっと思ってた」

心臓が跳ねる。

らぴす「避けられてる気して、ちょっと焦った」

目が逸らせない。

らぴす「動画のこと知って、納得したけど」

一歩近づく。

逃げ場がなくなる。

らぴす「それでも距離取られるの、普通に嫌やった」

胸がぎゅっとなる。

こんな言い方、ずるい。

こんな声、ずるい。

らぴす「俺、今めっちゃ変なこと言ってる?」

「…言ってる」

声が小さい。

らぴす「やんな」

少し笑う。

でも目は真剣。

静かな教室。

夕方の光。

誰もいない後ろの席。

らぴす「なぁ」

低い声。

らぴす「逃げんといて」

息が止まる。

心臓が、近い。

距離が、触れそう。

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