私が言うと、水が集まり一つのボールとなった。
{ぷくぷく…}
空中に浮かんでいる水玉を見て興奮していると、
{ぱしゃんっ}
水玉が破裂した。
水しぶきが私が着ているピッシリしたワンピースにかかる。
ぱっぱっ、とワンピースについた水滴を払う。
ちらっと、手に持った魔術書を見る。
そう、私は今魔術の練習しているのだ。
さっき図書館で一冊、水魔術についての本を借りたのだ。
そんな独り言を言ってると、後ろから声をかけられた。
あれっ、なんか流れで言っちゃった!
ほんとは先生なんだけどな…まぁ、大丈夫かな…?
うっ、すいません魔術使えなくて!!
適当にへらへら笑ってると、真弓ちゃんが口を開いた。
真弓ちゃんはそう言うと、すうと息を吸って目をつむった。
ふわふわと真弓ちゃんの髪が踊る。
真弓ちゃんがそう唱えると、でかい水滴が渦となり、一つのウォーターボールを作り出した。
ぷくぷくと、水の音が聞こえてくる。
私が感嘆していると、真弓ちゃんは冷静に説明した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。