もうどうだっていい。
抗争で勝とうが負けようが関係ない。
あたしには。
もう、タイムリミットだ。
ふざけるなよ。クソガキ共。
抗争の時間、10時を回った。
あたしは、全員を見下ろしながら言う。
あたしは、最終戦力。
イザナまで負けたら、あたしが行く。
あたしの出番、ね〜じゃんか。
でも、それなら、
『タケミッチ』
ワタシのヒーローに似た彼の名前を言う。
あれ?一人称、あたしだったよね。
なんで今、ワタシになったの?
もう、何にもわかんね〜わ
今のあたしには、諦めという言葉が似合いそうだ。
ブォンブォンああ、排気ガス音が聞こえる。
やって来ちゃったじゃん。
最悪だよ、ハハハ。
よりによって圭介か。
めんどくさい。
助けてやったのに。
さぁ、魁戦だ。
こっちからは、獅音。
あっちからは、ペー。
あー、うん。
負けるね。
いくら、獅音が9代目黒龍総長だとしても。
あいつは、それ以上ある。
あたしが思った通り。
獅音は一発で伸びた。
お疲れだよ。
あたしは殴りながら、圭介に言う。
チッ。かわされたか。
もう一発、蹴りを入れる。
が、
かわされ、一発殴られる。
もう一発殴ろうとする。
けれど、
その腕は止められ、あたしは彼に包みこまれる。
ああ。私は何を考えていたのだろう。
私はマイキーの嫁だよ。
そうだよ。
それに、私には。
まだ、失わない術がある。
私は圭介から離れ、天竺の特攻服を脱ぎ捨てる。
そして、いつもの特攻服。
ではなく、
腕のところに『総長代理』と描かれた特攻服を着る。
でも、こんな私でもいいの?
そうだったね。私。
私は、天竺の姫じゃなくて、
東卍のお姫様。
マイキーの嫁なんだよ。
私は胸を張ってそう言う。
大好きな親友と交わしたあの約束。
『何があっても、自分が自分でいること』
私と仁幸で交わした約束。
大切な大切な約束。
それが救いの手となり、足枷にもなるだろう。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。