第314話

314 (S2) *君たちと見る未来02
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2023/01/21 15:00 更新


耳元で囁かれてしまい、驚きの声をあげた。

著名な映画監督のお母様と響そっくりのお父様に会うなんて、

シュミレーションをしっかりしてからでなければ無理だ。
水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
冗談だよ。ちょっと付き合ってほしいところあるんだ
Kanade
Kanade
車窓から見える景色がビルだらけになってきたところで、電車から降りた。

そこから地下鉄に乗り換えて、東京の地下深くへと潜り込んでいくようなエスカレーターを降りては、登ってを繰り返して、


そしてまた、電車に乗り変えて……、

いくつか乗り換えた後に、ようやく駅の改札を出た。

そばには目黒川が流れている。

そういえばこの近くに収録スタジオがあったな。なんて思い出しながら、街路樹が生える道を響と共に歩く。


響は勝手知ったる様子でマンションの中に入って行った。

オートロック式のマンションは、

入り口はこぢんまりとしているが、中に入ると、中央が吹き抜けになっていて、

打ちっぱなしのコンクリートの建物はモダンでおしゃれだ。


Kanade
Kanade
響? ここってなに?
いいかげん、どこに連れて行こうとしているのか尋ねてもいいだろう。

そう思い、エレベーターに乗る響に声をかける。

エレベーターを降りるなり、響が目を細めて笑いかけた。

水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
なんだと思う?
正解したら、ご褒美あげる
ご褒美をくれると言われても、なんなのかさっぱりわからない。

宗馬さんのような、誰かの家なのだろうか?

もしや、響のご両親の家とか?

いやいや、そんなはずはないし
Kanade
Kanade
新しいスイプリの事務所?
水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
ううん
Kanade
Kanade
マネージャーの家とか?
水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
違う
Kanade
Kanade
じゃあスイプリの秘密基地!
と、言ったところで扉の前だった。

扉には何も書かれていないし、表札もない。

水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
半分正解だな
がちゃっと扉が開く。

彼は人差し指を口元へと当てて、内緒話をするように声を低めた。

手のひらに銀色の鍵を握らされる。

水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
2人だけの秘密基地。ね?
玄関を開けて部屋に入ると、広めのワンルームに出た。

ホワイトカラーのオーク材のフローリングに、淡いライムグリーンの壁。

部屋には壁の色と同じ、壁の色と同じグリーンの遮光カーテンがかかっているだけで、他に家具はない。

Kanade
Kanade
あ、もしかして、壁の色ってKanadeのメンバーカラー?
水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
正解。壁の色とか、Kanadeをイメージしたんだ。
だからKanadeが使い勝手のいいように使うといいよ。
水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
家具とか、家電とかまだ準備できてないけれど、一緒に選びに行こう。
Kanade
Kanade
ここが、響とKanadeの秘密基地……
ベランダの扉を開けると、冬の空気が部屋の中に滑り込んだ。

もうすっかり夜で、ビルとビルの間からお月様が顔を出している。

水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
寮の中だけじゃ、息苦しい時ってあると思ってさ。
Kanadeが花奏としてもいられる時間、あった方がいいと思ったんだ
水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
ここは第二の家みたいに使えばいいと思う。
息抜きしたいときに使ったり、
あと、2人きりになりたいときに使ったりね?


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