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第24話

# ❄️
57
2026/05/28 13:09 更新








猫咲波久礼
…あのー、大丈夫ですか?
あなた
、、、はぐれ、助けて
猫咲波久礼
ひとまず猫を離しましょうか。
その子、人懐っこくはないと思うんで…
あなた
この子はレモン!です!
猫咲波久礼
…それ、タピだと思うんですけど。
あなた
…え、うそ、ほんとだ黒い?!








       先輩の実家に来て数時間。



       先輩は眠くなったらしく、
       猫を抱きかかえたまま、
       うたたねしていた。










       …手の中にいる小さな黒猫。


       名前はタピオカから来てんだろう
       けど、まじでちっせぇな。









       つか、白っぽいレモンっつー子と
       黒猫のタピを間違えるとか、
       どんだけ疲れてんだよ。



       
猫咲波久礼
家に入りますか。
日焼け、したくないでしょう?
あなた
私、雪女だから大丈夫!
猫咲波久礼
…余計に、なのでは?
あなた
……確かに。暑さ耐性もないや。







       …慣れねえなあ本当に。


       あの冷静沈着、頭脳明晰
       って感じの先輩がこうだと…






       天然すぎだろ、とか
       冬眠でもしてんのか、とか
       いじりたいはいじりてぇんだけど…


       記憶が戻ったときにガチで
       しばかれそうでどうも言いにくい。














       静かになった一階の
       リビングに床が軋む音が
       やけに大きく響く。 



       恐らく、上にいた無陀野たちの
       誰かの足音だ。思い出話は
       終わったみたいだな。

 










       …護衛とかいう名だけ。



       周囲の警戒を頭の隅っこの方に
       置きながら、先輩と猫たちの
       仲良しこよし会は閉幕だ。










       …来る途中、


無陀野無人
護衛を頼めるか。
猫咲波久礼
護衛ですか?
無陀野無人
あぁ。念のため、桃の奇襲に。
あなたの下の名前から目を離すな。いつも以上に
アイツが考えてることはわからない。
猫咲波久礼
先輩のこと、幼稚園児か
何かだと思ってます??






       とか、コソコソ言われて、
       まあ確かに桃の襲撃とかシャレに
       ならねぇって思ってだけど…






       こんな離島、見つけられる
       わけねぇわ。でも無陀野の
       ことだ…なにに杞憂をしたんだか。
       

       つか、思考が読みづらいのは
       無陀野も一緒なんだけどな。

       










        …でも、終わりは終わり。

        無事になんともなく平和に
        時間だけ進んでった。








        脳内でほっとため息を
        吐いたとき。


        軽くなったと思った右肩に
        暖かい重みを感じた。





猫咲波久礼
…え、ちょ、大丈夫で_____
あなた
…zz……z、…
猫咲波久礼
かつげってことか…???
しばかれんのはごめんだぞ…?
 





       先輩のあたかさと重力。


       そして、ほんの少しある
       " かつげ " というプレッシャー





       肩を組んだ時点でもう防げねぇ。
       それに雪森先輩から来たんだ。










       センセーよォ…


       これはノーカンで頼むぜ。



猫咲波久礼
…っとと、お前ら、もう少し待て。
家主が心配なのはわかるが、邪魔だ。


 





      主人が見知らぬ他人にかつがれて
      心配になっている猫たちの間を
      すり抜け、ソファを探した。











      古民家をリフォームしたっぽい
      家だったからか、柱がねぇ。
      おかげで視界がクリアだ。



      想像よりずっとスムーズに
      ソファにたどり着けた。












      すやすやと眠る自称雪女を
      横目に、毛布代わりにと
      自分の上着をかけた。
     


      そこに、タイミングよく
      あなたの下の名前のお姉さんが出てきた。





猫咲波久礼
すみません。
勝手に上がってしまって。
雪森遥香
ううん…ぜーんぜん。
雪森遥香
いま、君が紳士すぎて感動してた
猫咲波久礼
花魁坂に怒られるんで。
雪森遥香
大丈夫な気がするけどね…笑 
それに、あなたの下の名前は寒さに強いし!






      …この人が雪森先輩の姉で、
      かなり歳が離れていることは
      知識として知っている。









      雪森先輩から聞いたし、
      それは事実で真実なんだが…



      顔が童顔すぎて年齢詐欺ってん
      じゃねぇかって聞きたくなる。

      まぁしねぇだろうけど。




雪森遥香
…猫咲くんさ。
猫咲波久礼
なんですか?
雪森遥香
あなたの下の名前のこと、タイプでしょ?
猫咲波久礼
先輩のことは…僕らの高嶺の花なんで、
そんなことは思いませんよ。
雪森遥香
あれ、外れた。
まぁ美人だもんね〜私の妹♡
猫咲波久礼
遥香さんと顔、似てますよね。
雰囲気は違いますけど…
雪森遥香
ほんと?
私、子供顔ってよく言われるから
似てるって言われるの新鮮!







       …初対面の男になんつーこと
       聞いてんだこのひと。



       つか花魁坂も同じこと聞かれたな。
       ひょっとして、こいつら
       同類なのか…??








       いやまぁ…でも先輩が
       高嶺の花なのは事実だ。


       好きっつー感情よりも
       尊敬とか敬愛って感じの物が
       俺含めみんなあると思う。











       …だから、みんな呼ぶんだよな。


       「雪夜叉」って。




雪森遥香
猫咲くんの話もよく聞いたな…
猫咲波久礼
先輩からですか?
雪森遥香
そうそう。
なんか弟みたいって!
猫咲波久礼
褒めてんのかけなしてんのか、
よく分かんないですね笑
雪森遥香
褒めてる褒めてる!
私が保証してあげるよ笑
雪森遥香
…あなたの下の名前、嘘はつかないよ。
特に同期の3人と君ら後輩にはね。
猫咲波久礼
どういう意味ですかそれ。







        『 好きだから 』





無陀野無人
5月18日にそう書いてある。
俺ら同期とお前ら後輩の名前がな。
猫咲波久礼
お早いですね…







       ビビった…



       なんでほぼ巨人の無口男無陀野無人
       少女漫画みたいなセリフ言ってんだ
       って、脳内パニックだったわ。







       

       右にいつも通りの無陀野、
       少しテンション低めな花魁坂。



       予想通りの顔、立ち位置だ。




雪森遥香
本当にすごいことなんだよ?
学校行ってないせいか、場に溶け込む
のが苦手で人嫌いだったんだから。
雪森遥香
挙げ句の果てにどこだか忘れたけど、
異国の言語覚えて外国人になり
すましたりとかしてたし。
花魁坂京夜
あ〜!そゆことだったんだ!
雪森遥香
え、なになに、
花魁坂くんやられたの?
花魁坂京夜
まぁ、一度だけ!
花魁坂京夜
超かっこよかったです!
花魁坂京夜
あ、あとなんかそのとき〜








       花魁坂と遥香さんの
       トークが盛り上がったとき、
       無陀野が何も言わず俺のところに来た。




       今はローラースケート履いて
       ないから、まだ目で追える。






無陀野無人
俺はこの後、桃路が所属して
いた管轄に行く。
無陀野無人
あなたの下の名前が起きたら、花魁坂と
遥香さん、あなたの下の名前で話し合って
ここに残るか京都に行くか決めろ。
猫咲波久礼
一応理由聞いても?
無陀野無人
これだ。







        無陀野のスマホには
        メールが表示されていた。




        無題、文言なし、一枚の
        写真だけが添付されている。


  






        送り主は練馬のあの人からだった。





猫咲波久礼
鬼の死体ですか。
でもこの場所、練馬の管轄外では?
無陀野無人
あぁ。これは名古屋に近いところだ。
無陀野無人
> 挿入されたアイテム
無陀野無人
これが桃路晶…唾切によるものかの
見解を俺たちに伝えるためにな。
猫咲波久礼
じゃあ京都に行くべきなのでは?
猫咲波久礼
花魁坂に関しては京都が仕事の
場所で…先輩も真澄隊長と会えば
何か思い出すかもしれないのに。
無陀野無人
一発で死ぬような能力を唾切が
桃路から見つけたとしたら?


無陀野無人
その写真に映っている鬼の傷は
一つだけ。最初の一太刀で致命傷を
負わされたと考えていいだろう。
無陀野無人
真澄が直接会いに来るわざわざ効率の悪いのは
道中にあった戦場で死体の発見と
証拠保存をするためだ。






無陀野無人
…どこにいても危険なんだ。
あなたの下の名前は狙われやすい。安全な場所に
安心するやつといた方が記憶も戻り
やすいだろう。
 








       …無陀野はわかりにくい。




       けれども、真澄とか馨みたいに
       わかりにくい嘘をつくとか
       じゃなく、回りくどいだけなんだ。










       無陀野…お前の先輩への
       気遣いは記憶を取り戻すため
       ってことだけじゃない。



猫咲波久礼
わかりました…
といいたいところなんですが。






        その回りくどさ。



        逆に気づきやすかったぜ。




猫咲波久礼
無陀野さんが思っているより、
先輩は記憶を戻したいらしいですよ。
猫咲波久礼
さっき、言ってました。









   数分前_______.



猫咲波久礼
どうしたんですか、そんな目して。
あなた
いや…なんか、早く元通りに
なりたいなって思って。
あなた
家に来て思った。
家でしか話せないことを話せない
のは、すっごくいやだ。
あなた
この子の名前も…つけたはずなのに、
なんかわかんなくて…黒猫、
タピしかわかんないの、いやだ。
あなた
きみはなんて名前をつけたのかなあ…





       きみ、と呼ばれたおとなしい
       1匹の黒猫。でも先輩の目線は
       もっと遠くを見てるみたいだ。









       …ソファで寝転がる主の
       少し離れたところから見守る、
       きみと呼ばれた大人の黒猫。



       俺が例えで言った名前。
       それがお前の名前になったんだ。












       金色のキャッツアイに
       お腹にある月みたいな紋様。


       初めて会ったときも、
       世話をしたときも変わらぬ
       その唯一無二な特徴。




無陀野無人
…ツキ、か。
猫咲波久礼
思い出させてあげた方が
楽かもしれません。
猫咲波久礼
今の先輩は、王手がさせるのに
気づけていない状態です。

猫咲波久礼
気遣いも優しさも、時には剣と
なって本物の剣より鋭くなります。







猫咲波久礼
…今してるのは、紫野さんが先輩にした
優しい嘘と同じなんじゃないですか?







       あ〜耐えた、危ねぇ。


       これがもし、無陀野との
       2人きりの部屋だったら
       顔に出てた。





       俺は優しくねぇ。

       ここまでマイルドに言えたのが
       奇跡だ。寝てる先輩とトークに
       夢中な2人に気遣った結果のことだが。











       お前の好きな効率のよさで
       言うと5文字で言えるな。


       「合理的配慮」っつーやつだよ。




無陀野無人
…それもそうだな。
猫咲波久礼
話し合いはします。
ただ、先輩の意見が第一優先です。
無陀野無人
ああ…そうしろ。






        表情筋を1ミリも動かず、
        ただ同意だけしやがった…


        ムカつくとかねぇのかよ、
        まあだいぶオブラートに言った
        けども。






        つまんねぇな、相変わらず。




無陀野無人
京夜、もう俺は行く。
猫咲には伝えた。うまくやれ。
花魁坂京夜
あ、もうか!了解了解!
花魁坂京夜
まっすーによろしく言っといて!
あと手伝ってくれたであろう馨にも!
無陀野無人
あぁ…、
花魁坂京夜
あ、だのっち危な_____!








        





   







         _______ぼんやりとしてた。





       たぶん夢だった。もう覚えてない。









       でもなんだか、すごく嫌な感じで
       怖かったような、怒ってた
       ような気もするの。








       景色が走っていって、それが
       休憩しているときに無線から
       男の人の声が聞こえた…気がする。



       そう、気がするだけだったんだけど…







むっくん



  『 ___._'__/部、こちら本部.___'!! 』


    『 桃が、____1人…、!』


      『 応援頼む…!繰り返す、』










       この声で思い出した。



       あぁ、私、京都に行く途中で
       任務に行ったんだっけなって。








       どこの場所の任務だったか
       思い出そうと夢から出て、
       目を開けたとき。


       そこにはコラ画像なんじゃ
       ないかと思う風景があった。



雪森あなたの下の名前
え?あ…ん…??
猫咲波久礼
ぐっ…ww
花魁坂京夜
だ、だのっち…頭…、ww



無陀野無人
…猫は第六感も鋭いんだったな。






       無陀野さんの頭の上に
       あの大人しい黒猫が乗っていた。


        


雪森あなたの下の名前
ショートケーキ…的な、?
雪森遥香
あなたの下の名前やめて、もうしんどいからww






       標高190センチ住み猫、
          今ここに爆誕________(?)





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