11月。
秋の色が濃くなって
紅葉はおそらくピーク。
清水寺は今は激混み
だろうなぁ…どうせなら
京夜とも見たいのに。
まぁ…京都支部隊長を
東京に連れ回すわけには
いかないか。
やけに舌が回るこの口先に
少し感謝している。
1日に血蝕解放を数回して
それを10日間、ちゃんとした
ベットでは寝ずに朝を迎える。
今日はやけに視界がクリアだ。
これが限界突破ってやつか…
紅葉の赤、橙に紛れた
よく目立つ白の隊服。
見える範囲に桃は2人。
周りに観光客がいるし、
ここで戦闘は無理。
あと私の体力的にも
厳しいものがあるから
今は対処法は静かにする。
" 視界のカモフラージュ " だ。
数滴の血液が地面に落ちた。
桃に気づかれたけど、
もうすでに遅い。
私は私自身の気配を消し、
先輩は先輩自身と私を
2人の桃の視界から消す。
私の負担がかなり軽くて、
先輩の宣言通り、8:2になる
ような負担割合だ。
…優しいね、先輩。
疲れてるときに優しくされると、
こっちはあったかくなるよ。
言った後…自分で気づいた。
ネガティブ思考だって。
…たまにくるんだ。
限りなくメンタルが弱くて
無限にネガティブな思考が
回っちゃう日が。
疲れてるのもあるけど、
ここ1週間は京夜くんと
メールも電話もしてなかったし…
…でも、こんな無意識に
ネガティブなことを言うなんて、
なかなかないな…
もう目が死んでるであろう
私の疲れ目の視界に先輩が
しゃがんで入り込んできた。
「 私の両手には迷惑のかけらも
存在してないよ? 」
…背は私より低い。
でも、私よりずっと筋肉がある。
すごく頼もしかった。
京夜くんや無陀野よりは
全然小さな背中だけど、
すごく大きく見える。
…いいか。ちょっとくらい。
甘えますよ、先輩。
…自分が限界で気絶した
ことだけは覚えてる。
それだけは覚えてるのに…
なんか先輩と2人でいる
時よりも、うるさくなってた。
肝心の紫野先輩はいないし、
ありふれたメールが2件。
どうやら甘える相手を
間違えたようだ。
もうしない。
でも、今は…
失くしそうで怖かった、
って言おうとすれば私より
ずっと長い腕が身体に巻き付いた。
京夜くんからすれば
私は片手に乗るようなペット…
…マジでびくともしない。
っていうか、さっきまで
怒ってたのに抱きしめてる
のはもう…なぜなんだ。
馨に気を使わせて
どうするんだよもう…!!
ごめんね、馨、あとで
花の本かお花でごめんね
するからね。
終始、馨を困らせたあと、
私たちは練馬区を去った。
それなりに長くも短い
家路を辿って家に着いた。
…まさか、本当に京夜くんが
私を抱きしめ続けて、キス攻撃を
受けるとは思ってなかった。
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11月27日 . 紅葉と甘く
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* おまけ













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!