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第1話

ギャルと白鷲
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2026/01/28 13:47 更新




きっかけは偶然に過ぎない。
でも、この偶然が無ければ今の私はないと思う。


You
若利、今日もサイコーだね〜
牛島 若利
牛島 若利
ああ

今の私が“ここ”にいるのは


———紛れもなく、貴方のプレイに目を奪われたから




廊下を通ると道が開ける。
これは決して気持ちが良いものじゃなかった。
周囲の蔑むような目線が自分に振りかざされるのが
分かっていたから。
友達は気にする事はないと言っていたけれど、
いい気分ではないなといつも思う。
それでも別に今に始まったことじゃない。
私が私を貫いた結果がコレだったから。
後悔も、申し訳なさも一切ない。
You
……


白鳥沢に私みたいに、スカート短すぎる子はいない。
派手めのスクバも、ピンクのピンで前髪を留めた子も、
ルーズソックスを履いている子もいなければ、
ネイルをしている子だって居ない。
まあ、校則ギリギリを攻めるのが楽しかった。
——— 1年のくせに生意気だ

いつだったかそんな風に先輩が言っているのを聞いた。
けどあまりそれを私は気にしていないが。
直接言えやマジ


勉強も部活もなにかに対して頑張れることは
素晴らしくて立派なことだと思う。

私は偏差値が高い高校に行けば、
校則が緩くて自由だと思ったから白鳥沢に入学した。
自分のカワイイを貫き通す為ならば、
勉強だって苦じゃなかった。
むしろ楽しさだって覚えた。


そう、カワイイを貫き通す為ならば
それ以外、要らない。



その日は、委員会の仕事が遅れていた。
時計を見て舌打ちしながら廊下を歩いていた。
放課後の校舎は静かで、
窓から差し込む夕方の光が床に伸びてる。

なんとなく喉が乾いたから
今いる場所から1番近い、
体育館の自販機に行くことにした。

You
(早く帰ろ)

そう思ってた。
体育館の前を通るまでは。
ドン、って音がした。

ただの音。
本当に、それだけ。

でも、なぜか足が止まった。

私、こういうの信じないタイプだったのに。
運命とか、直感とか、そういうの。


なのに。



身体が勝手に、
体育館の扉の隙間を覗いてた。


中は、思ったより明るくて、
空気が張りつめてた。



———次の瞬間。

高く跳ぶ人が、視界に入った。


You
は、?


一瞬、時間が伸びた気がした。
天井に近いところで、
その人は迷いなく腕を振り下ろす。


——— バンッ
空気が叩き潰される音。
床が震えて、
その振動が、靴越しに伝わってきた。

息が、止まった。
You
(……なに、これ)


心臓が、一拍遅れて跳ねる。

かっこいい、とか。
すごい、とか。

そんな言葉、追いつかない。
その人は、表情を変えなかった。
淡々としていて、
当たり前みたいに、そこに立ってた。

強い、とか以前に、
“自分が強い”
と話さなくても、オーラで分かるプライドが
一番怖かった。

私、ネイル可愛いとか、
今日の前髪うまくいったとか、
そういうことで一喜一憂してたのに。


その人は、
そんな世界の外側に立ってるみたいだった。
まるで、そこコート上が全てというように。
ラメの入った爪も。
揺れるキーホルダーも。
全部、急に邪魔に思えた。
You
(このままじゃ、見れない)


理由は分からない。
でも、はっきり思った。



———目を、奪われた。




ここで起きていることを、
もっと近くで見たい。

この人が立っている場所を、
この空気を、
ちゃんと知りたい。

恋とか、
憧れとか、
そんな綺麗な言葉じゃない
もっと乱暴で、
もっと身勝手で、
どうしようもない衝動。


体育館の扉の前で、
派手めな格好のまま立ち尽くして。

その日、
私は初めて思った。
You
かっこいい……


あの瞬間。
音と光と、
無表情で跳ぶ背中に。

私の全部が、
確かに、奪われた。

Profile
遠藤エンドウあなた
・白鳥沢学園 高等部 3年3組 (原作軸)
・好物はオニオンリング
・趣味はネイル、ヘアセット、落書き

時間軸としては1年生から始まります。
牛島若利と夢主は同じ学年です。

⚠️
・更新不定期
・ギャルの解釈違いかも
ギャルの解釈違い起こるかもしれませんが
私の定義としては、自分のカワイイに素直で
自分を貫く人って思ってます。
暖かい目で見てくださると嬉しいです✨
白鳥沢×ギャルとか最高じゃんね!!

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