〜ディズニーランド〜
You Side
スペースマウンテンに着くと、入り口にある
長いエスカレーターに乗って4人の席順を決める。
例によって私と征ちゃん、さっちゃんと大輝くんで
並んで、エスカレーターを超えて中へ。
☆
〜乗り場〜
Aomine Side
乗り場が見えてくるなり
結局さつきの強引な押しによって、
さつきはあなたと、俺は赤司と乗ることに。
ディズニーに来るのは中学2年の夏休みに
テツと黄瀬と3人で来た時以来だけど、
ヤローとなんてテツとしか乗った事ねぇってのに。
赤司はあなたとさつきと4人での集まりしか
まともに話した事も遊んだ事もねぇからチョーシ狂う。
俺だけでなく赤司も帝光時代の部活以外で
こうやってサシで話すのは初めてだった。
☆
前にいるさつきとあなたはかなり仲が良くて、
今も久しぶりに会うからって話がはずんでやがる。
帝光の時からさつきが事あるごとに誘ってメシ行ったり
女同士で買い物行ったりしてたくらいだからな。
☆
隣にいる以上は名前を呼び尋ねてみると、
幼馴染を観察していた赤司はくるりと振り向く。
……中学で何度も見た、あの涼しげな顔をこしらえて。
赤司はもう1人のヤツが出てきた途端から
あいつに寄り添おうとしてきたあなたさえも
邪険に扱い、冷たく振る舞い…
あいつら2人が卒業の時期になるたびに交わすという
‘‘ 同じ学校へ行こうね ’’ という約束も白紙にし、
赤司は洛山へ、あなたは音駒へ行ったと
あなたとめちゃくちゃ仲がいいさつきから聞いていた。
決勝2日前に赤司にあなたはどうしたとメールすると、
文のはじめに【さつきから聞いたのか。まあさつきにはいつかバレていただろうし、そのまま自然と大輝の耳へも入っていくから僕は想定内だった】と言われた。
赤司の口から今物騒な言葉が飛び出してきたような…?
鬱陶しいハエがどーのとか… そいつら全員男か。
あなたも中学からけっこーモテるし、イヤなんだろう。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。