ザァザァと窓にたたきつける様な雨の音ではっと目が覚める。
少し早いがもう起きようと布団から出ようとするとビリッ 足に激痛が走り思わず転けてしまう
昨日テストの点数が悪いと両親から指導を受けた。足に熱湯をかけられたのだ
起き上がろうとするとくしゃくしゃになった90点のテストが視界に映る
もっといい点数を取らなければならないのだ
自分がこんなに不出来なのにそれでも見捨てず指導してくれる両親には感謝してもしきれない
制服に着替え1回のリビングに降りる
彼に話しかけられた。思わずドキンと胸がなる
彼は透き通ったような目で私を視界に映す
邪魔…?今邪魔って言われた?
邪魔って要らないってこと?
ヒュッと息ができなくなる
耳をすませば微かに猫が鳴いてるような声が聞こえる
夜宵くんは猫の声がする方に足を向ける
そんな私を無視して夜宵くんは猫の声がする方に走っていってしまった
学校がもうすぐ始まってしまう。
私は大急ぎで学校に向かう
ガラッ 勢いよく教室のドアを開けた
時計を見ると朝のHRが始まる5分前
ギリギリだった。気をつけなければ
これ以上両親には失望させられないそう思い席につこうとする私にカースト上位の彼女達が近寄ってきた
雪の周りにはクスクスと笑っているクラスメイト数名が私を見下げていた
彼女はすごく綺麗な顔立ちで髪はストレートロング
誰もが振り返る様な美貌だった
美貌が故周りに自然と人が集まる
呼吸が早くなりどくどくと心臓の音が早くなるのが分かる。
何故だろう?私は今おかしな事を言われてるみたいだ
さらに呼吸と心臓の鼓動がバクバク早くなるのが分かる。
こんな不出来な人だったんだと思われたくなくてコーヒーをかけられてしまった事を隠すように、ブレザーを着ていたが彼女はブレザーの隙間からちらっと見えるコーヒーの染みを見逃してはくれなかった
彼女は強引に私のブレザーを脱がせた
そしてポケットからスマホを取りだしパシャっと写真を撮った
次の瞬間彼女は
その瞬間教室がざわめいた
写真を撮る者
こそこそ話してる者
笑っている者
呼吸がさっきよりもっと早くなる
はぁ、はぁっ
息がしずらい
その瞬間彼女は顔を顰め舌打ちをした
しまった。
彼女の機嫌を損ねてしまった
なんで私はこんなダメな奴なんだろう
だが、彼女は何か思いついた様に、にやっと笑い
私は思わず顔を歪めてしまった。
私はパパ活はしてないしホテルにも行った事がない
彼女はゲラゲラ笑いながらそう言った。
皆の視線が私に一気に集まる
はぁっはぁっ呼吸がしずらい。意識が今にでも遠のきそうだ
キーンコーンカーンコーン
朝のHRのチャイムが鳴る
彼女は持っていた私のブレザーを床に落とし踏みつけた後満足そうな顔で、自分の席に着く。
朝のHRが終わり、担任の先生の視線が私を捉えていたのに気づく
何か用でもあるのかな
資料室?資料室と言えば誰も使わない教室だ。 何か手伝いでもして欲しい事があるのだろうか
彼女達の方を見るとやはりクスクスと笑っている
教室のドアをガラっと開け雨が叩きつけている窓を横目に走早で資料室に向かう
朝から雨なので廊下は薄暗い
資料室は3階の1番奥の教室だ
小走りで向かう
資料室のドアを開けようとするが取っ手が悪いのか中々開かない
すると、自分の後ろが誰かの影で暗くなった
取っ手を持ったまま後ろを振り向くと
ドアの取っ手を持っていた私の手に先生の手が重なる
先生の一瞬ニヤついた顔を私は見逃す事が出来なかった
声が出ない
激しく窓にぶつかる雨の音だけが廊下に響き渡った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。